やまねこ (曲)

中島みゆきの20枚目のシングルとして1986年11月21日にキャニオン・レコードからリリースされた『やまねこ』は、彼女の音楽キャリアにおいて重要な位置を占める作品です。このシングルは、14枚目のオリジナルアルバム『36.5℃』の発売からわずか9日後にリリースされ、両A面シングルとして、2曲とも同アルバムからのシングルカットという形を取りました。

特に注目されるのは「シーサイド・コーポラス」です。この楽曲のタイトルは、かつて実在した同名のアパートからインスピレーションを得ています。中島みゆき自身が「取り壊しが決まったので、早く発表したかった」と語るように、このアパートに対する彼女の強い思い入れが込められています。アルバムバージョンでは1コーラスのみでしたが、シングルバージョンでは2番の歌詞が追加され、より完全な形となりました。また、シングルバージョンの最後には、中島みゆきと男性スタッフによる短い会話が収録されており、楽曲にユーモアと親しみやすさを加えています。このシングルバージョンは、後にアルバム『Singles』で初めてアルバム収録されました。

2022年11月28日には、ヤマハミュージックコミュニケーションズによって、このシングルがEPレコード盤のジャケット画像でデジタル・ダウンロード配信され、新たなファン層にもアピールしています。

収録曲は以下の通りです。

やまねこ
シーサイド・コーポラス

これらの楽曲は、以下のアルバムにも収録されています。

36.5℃ (#1,2 #2はアルバムバージョン)
歌暦 (#1, ライブバージョン)
Singles (#1,2)
中島みゆき CDV GOLD (#1)
中島みゆき BEST SELECTION II (#1)
中島みゆきConcert「一会」2015〜2016-LIVE SELECTION- (#1, ライブバージョン)

『やまねこ』は、他のアーティストにもカバーされており、その音楽的な魅力は広く認められています。

カレン・トン（湯寶如）が「絕對是個夢」のタイトルで広東語カバー（1992年、アルバム『First Love』に収録）。
工藤静香が2008年にアルバム『MY PRECIOUS -Shizuka sings songs of Miyuki-』でカバー。

『やまねこ』は、中島みゆきの多様な音楽性を象徴する一曲であり、彼女の作品群の中でも特別な存在感を放っています。

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