やま丸

有限会社やま丸について

有限会社やま丸は、大分県津久見市の津久見港と保戸島の間で定期航路を運航していた海運会社です。1990年（平成2年）に津久見市から航路事業を譲り受け、長年にわたり地域の足として活躍しました。

沿革

津久見港と保戸島を結ぶ航路は、もともと津久見市によって運営されていました。1990年（平成2年）9月に、有限会社やま丸が事業を引き継ぎました。当初、航路は四浦半島の赤崎、鳩浦、久保泊、落の浦、狩床といった各地区を経由していましたが、道路整備が進んだことで、2005年（平成17年）にこれらの寄港地は廃止され、保戸島への直行便となりました。

旅客輸送人員は、年々減少傾向にありました。特に2010年度（平成22年度）には、前年比で10%以上もの大幅な減少となり、年間輸送人員が10万人を割る事態となりました。この状況を受け、運航ダイヤの見直しや減便、島民向けの割引制度導入、使用船舶の見直しを含む「津久見〜保戸島航路改善計画」が検討されました。しかし、その後も乗客数の減少は止まらず、経営者の高齢化や船員の確保難といった問題も重なり、会社側から航路撤退の申し入れに至りました。

津久見市との協議の結果、2022年10月より航路は再び市営化されることになりました。ただし、向こう2年間は運航業務をやま丸に委託するという形で決着しています。

航路

やま丸が運航していた航路は以下の通りです。

津久見港 - 保戸島
平日：1日5往復
土日祝：1日4往復
所要時間：約25分

2012年（平成24年）10月には、「津久見〜保戸島航路改善計画」に基づき、運航便数が7往復から6往復に減便されました。

保有船舶

やま丸は、以下の2隻の船舶を保有していました。

ニューやま2号
就航：1990年（平成2年）1月
総トン数：43トン
旅客定員：95名
マリンスター
就航：1997年（平成9年）1月
総トン数：77トン
旅客定員：150名
機関出力：1,100PS x 2
速力：23ノット

事務所

やま丸は、以下の2か所に事務所を構えていました。

津久見事務所：大分県津久見市中央町760-114
保戸島事務所：大分県津久見市大字保戸島880-15

まとめ

有限会社やま丸は、地域住民の生活を支える重要な役割を担っていましたが、時代の変化とともに航路のあり方も変化しました。現在は津久見市が航路を運営し、やま丸が運航を委託される形となっています。この航路は、今後も地域にとって重要な交通手段として維持されていくことが期待されます。

参考情報

* 交通アクセス 保戸島 おおいたの島めぐり

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