ゆうばりホテルシューパロ

ゆうばりホテルシューパロ

北海道夕張市に位置する「ゆうばりホテルシューパロ」は、かつて地域の主要な宿泊施設として多くの旅行者や映画祭関係者に利用されました。過去には株式会社夕張リゾートが運営を手掛けていましたが、現在は営業を休止しています。

概要

建物は地上8階建ての鉄骨鉄筋コンクリート造りでした。このホテルの建設地は、かつて夕張市内で唯一の百貨店として市民に親しまれた「丸丹おかむら」の跡地にあたります。

また、夕張の象徴的な文化イベントである「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が開催される際には、当ホテルが会場の一つとして使用されることもあり、映画ファンや関係者の拠点としても機能していました。

ホテルは、運営会社が同じであったスキー場「マウントレースイスキー場」から約1.3キロメートルの距離に位置しています。スキーシーズン中には、スキー場へのアクセス手段として、利用者向けの送迎サービスが提供され、利便性が図られていました。

しかし、2020年（令和2年）3月、国内外で拡大した新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当ホテルは営業休止を余儀なくされます。同年夏には、施設の有効活用として、レストラン部門でのイベント開催や、同年8月8日から15日までの期間限定での営業再開といった試みも実施されました。

ですが、これらの efforts にも関わらず、施設を運営していた夕張リゾート株式会社は、今後の事業継続が困難であるとの判断に至り、同年12月24日には破産手続きの申し立てを行うことを正式に公表しました。

ホテルの所有会社の代理人からは、施設の老朽化や損傷が著しいことから、仮に経営主体が見つかったとしても、2021年（令和3年）冬季シーズン中の営業再開は現実的に難しいとの見解が示されており、ホテルの再開は極めて困難な状況にあることがうかがえます。

沿革

ゆうばりホテルシューパロの歴史は、1986年（昭和61年）10月、「ホテルシューパロ」として開業したことに始まります。

開業から数年が経過した1989年（平成元年）10月には、施設の改装工事が完了し、より快適な環境が提供されるようになりました。

その後、運営主体は何度か変遷します。1992年（平成4年）10月には、当時の松下電器産業（現在のパナソニック）のグループ会社であった松下興産株式会社がホテルを買収し、その経営を担うことになりました。

しかし、1996年（平成8年）7月、財政難に直面していた夕張市が、松下興産からホテルを20億円で買い戻すことを決定し、同市が出資する夕張観光開発株式会社が新たに経営を承継しました。

長期にわたる夕張市の財政状況が厳しさを増す中、2007年（平成19年）4月からは、リゾート運営会社である加森観光株式会社の子会社にあたる夕張リゾート株式会社が、公の指定管理者として運営を引き継ぎ、ホテルは営業を再開します。

さらに、2017年（平成29年）4月には、中国系の企業グループに属する元大夕張リゾート株式会社が営業権を承継するという形で、再び運営主体が変わりました。

そして、前述の通り、2020年（令和2年）3月、新型コロナウイルス感染症の拡大によりホテルは休業に至ります。同年8月には期間限定での営業試みもありましたが、同年12月24日には、運営会社の夕張リゾート株式会社が破産手続きを申し立て、事実上の終焉を迎えることとなりました。

現在、ゆうばりホテルシューパロは休業状態であり、施設の老朽化も進んでいることから、今後の営業再開は極めて不透明な状況が続いています。

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