ゆびとま

ウェブ同窓会サイト「ゆびとま」の歩み：栄光と挫折、そして再生

「ゆびとま（Yubitoma）」は、株式会社ケイ・プランニングが運営するウェブ同窓会サイトです。その歴史は、日本のインターネット黎明期にまで遡り、数々のドラマを秘めています。

誕生と初期の成功

1996年5月、小久保徳子氏によって「この指とまれ！」という名前でウェブサイトが開設されました。これは、インターネットを活用した仮想同窓会という、当時としては画期的な試みでした。小久保氏は自らシステムを構築し、サービス運営に尽力しました。2000年には、自身の会社を株式会社ゆびとまに改組し、代表取締役に就任。事業は順調に進み、ウェブ同窓会という新しい市場を開拓したパイオニアとして注目を集めました。しかし、2005年には代表取締役を退任し、取締役名誉顧問となりました。

政治進出と経営危機

2006年、小久保氏は長崎県知事選挙に無所属で立候補しましたが、落選しました。この選挙活動中、またはその直後に、ゆびとまの経営に新たな展開が起こります。2007年2月、アドテックスの民事再生法違反事件で逮捕者が出たことをきっかけに、ゆびとまの経営にアドテックス関係者が関与していた疑惑が報じられました。この事件が、ゆびとまの経営に大きな影を落とすこととなります。

同年2月、ゆびとまは経営陣を刷新しましたが、業績悪化は止まらず、事業継続は困難な状況に陥りました。そして、同年8月には、株式会社この指とまれに事業が売却されました。この売却によって、ゆびとまはシステムやパッケージ開発を主な業務とする企業へと転換を図ることとなります。

サービス停止と再建

事業売却後も、元の「この指とまれ！」サイトは運営を続けられていましたが、2009年5月、突如としてサービスが停止されました。株式会社この指とまれの所在も不明となり、ユーザーは混乱に陥りました。

しかし、ユーザーたちの強い要望を受け、「ゆびとま再建委員会」と名乗る団体が中心となり、ゆびとまエンターテインメント株式会社が設立されました。同社は仮サイトを作成し、2009年6月14日よりサービスの運営を再開しました。旧システムの再開は断念し、新たなシステムの構築を進める方針が示されました。

2010年8月には、ゆびとまHD株式会社（ゆびとまエンターテインメント株式会社と代表取締役が同一）が正式にサービスを再開。その後、運営は株式会社ケイ・プランニングへと引き継がれ、現在に至ります。

結論

「ゆびとま」の歴史は、成功と挫折、そして再生を繰り返した波乱に満ちた物語です。インターネット黎明期の先駆者として成功を収めたものの、経営環境の変化や不祥事など、様々な困難に直面してきました。しかし、ユーザーの強い要望と関係者の努力によって、サービスは継続され、現在も運営されています。この物語は、インターネットビジネスの難しさ、そして、企業が生き残るための努力の大切さを改めて認識させてくれます。

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