よしだみほ

よしだみほ（1961年8月19日生まれ）は、東京都出身の女性漫画家、イラストレーターです。彼女は、独特なタッチでデフォルメされた競走馬のイラストを描くことで広く知られています。代表作は、競馬を題材にしたギャグ漫画『馬なり1ハロン劇場』シリーズです。

経歴

よしださんは1987年頃から、JRA（日本中央競馬会）発行の月刊誌『優駿』のイラストコーナーに常連投稿者として登場し、その名を知られるようになりました。1989年に同人誌『天才ユタカの元気が出る競馬』を発表したことがきっかけで、同年秋に『週刊競馬報知』(のちに『週刊ファンファーレ』に改名)にて『それいけ岡部クン!!』の連載を開始しました。この連載はその後、『馬なり1ハロン劇場』とタイトルを改め、『漫画アクション』、双葉社Webマガジン、WEBコミックアクションと掲載媒体を変えながら、休載期間を挟みつつも現在まで続く長期連載となっています。

2019年には、『馬なり1ハロン劇場』が連載1000回を迎え、最終回を迎えました。その後、『馬なり1ハロン!NEO』（netkeiba.com）と『馬なりde SHOW』（週刊大衆）という2つの連載を新たにスタートさせています。

『馬なり1ハロン劇場』の連載を機に、他の競馬雑誌やスポーツ新聞などでも多数の連載を持つようになり、現在では「競馬漫画界の第一人者」と呼ばれるまでになりました。また、フジテレビ系列の競馬番組『スーパー競馬』の井崎脩五郎さんのコーナーで、1コマ漫画が起用されたこともあります。

2004年4月には、中山競馬場において、よしださんが描いた岡部幸雄・牧原由貴子両騎手の似顔絵が焼印された特別バージョンの今川焼きが販売されました。特に岡部騎手バージョンのものは「会長焼」と呼ばれ、2005年3月に岡部騎手が引退する際にも再び中山競馬場で販売されるほどの人気を博しました。中山競馬場では他にも、シンボリクリスエスやディープインパクトのイラストが焼印された今川焼き、岡部騎手、牧原騎手に加え、柴田善臣騎手、横山典弘騎手、後藤浩輝騎手のイラストが入ったおせんべいなどが販売されたことがあります。

その他

よしださんは、「あくまでも一ファンの視点から競馬を描きたい」というポリシーを持っており、漫画を描くにあたって現場での取材は行わないそうです。そのため、騎手や調教師などの競馬関係者との交流もほとんどありません。テレビの競馬番組への出演も、『ドラマチック競馬』（北海道文化放送）や『競馬場の達人』（グリーンチャンネル）にゲスト出演する程度です。しかし、北海道の牧場には時折訪れているようで、『馬なり1ハロン劇場』の単行本の巻末漫画などで、シンザンやサンデーサイレンスなどの名馬と対面した際のエピソードが語られています。

『ドラマチック競馬』に出演していた関係で、同番組の司会者だった須田鷹雄さんらと親交があります。須田さんの依頼で、ばんえい競馬支援を目的としたふるさと納税を促す漫画を執筆したこともあります。

過去にペーパー馬主の会に入会した際、登録した馬の動向を気にし過ぎて精神的に疲弊した経験から、自身を「特定の馬にのめり込み過ぎるとダメな精神構造」と分析し、それ以来、広く浅く多くの馬を愛するスタンスを心掛けているそうです。そのため、一口馬主などにも手を出していません。

演劇好きとしても知られ、俳優の鹿賀丈史さんと滝田栄さんのファンであることを公言しています。特に鹿賀丈史さんについては、エッセイ漫画で「私の本業は『鹿賀丈史のファン』です」と言い切ってしまうほどの熱狂的なファンです。

GIレース発走前のファンファーレに合わせて起こるファンの手拍子や、パドックでのフラッシュ撮影については、『馬が怖がる』などの理由で一貫して批判的な態度を取り続け、作品を通して苦言を呈しています。

かつてはエッセイなども執筆していましたが、現在は「自分の文才に限界を感じた」「恐らくエッセイという形では言いたいことを言い尽くしてしまった」とのことで、今後エッセイなどを出版する可能性は低いそうです。

作品リスト

馬なり1ハロン劇場→馬なり1ハロン!NEO・馬なりde SHOW
馬より素敵な役者はいない
よしだみほの20世紀の100名馬
よしだみほ ウマ世界読本
よしだみほのホース漫
すべての馬に乗れ!（「ターフレポーター アスカにおまかせ!」他を収録）
私設現代名馬館
思い込み「馬キャラ」分析
「馬ドラマ」超鑑賞術
いつかは言ってみたい18の言葉（イラストを担当）

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