りょうもう

特急りょうもう：両毛地方を結ぶ歴史とスピード

特急りょうもうは、東武鉄道が運行する、浅草駅と群馬県赤城駅間を結ぶ特別急行列車です。伊勢崎線と桐生線を経由し、両毛地方のビジネスや観光の重要な交通手段として親しまれています。本記事では、2017年から運行されている新型車両500系による「リバティりょうもう」と、過去の運行状況についても詳しく解説します。

運行状況と利用状況

2023年8月現在、「りょうもう」は赤城駅発着で1日あたり上り9本、下り10本が運行されています。太田駅発着の列車も3往復あり、さらに伊勢崎駅発着の列車も設定されています。一方、「リバティりょうもう」は赤城駅発着で上り7本、下り6本、太田駅発着の3往復に加え、葛生駅、館林駅発着の列車もそれぞれ1往復ずつ運行されています。 両列車の運行本数は、時間帯や曜日によって変動します。

主な利用者は、両毛地方の工業地域に勤務するビジネス客です。通勤時間帯には多くの通勤客が利用し、休日には観光客の姿も目立ちます。特にゴールデンウィーク時期には、あしかがフラワーパークやつつじが岡公園への観光客向けに臨時列車も運行されることがあります。

しかし、りょうもう号の表定速度は比較的低いため、群馬県鉄道網活性化研究会は2009年の提言で、増便とスピードアップによる利便性向上を課題として挙げています。

編成と停車駅

りょうもう号の停車駅は、東武伊勢崎線では浅草、とうきょうスカイツリー、曳舟（一部列車）、北千住、東武動物公園、久喜、加須（一部列車通過）、羽生（一部列車通過）、茂林寺前（季節限定）、館林、足利市、太田、木崎、境町、新伊勢崎、伊勢崎です。東武桐生線では太田、藪塚、新桐生、相老、赤城に停車します。また、東武佐野線では館林、佐野市、佐野、田沼、葛生に停車する列車もあります。停車駅は、時間帯や季節によって異なる場合があります。

使用車両は、りょうもう号が200系200型、リバティりょうもう号が500系です。いずれも全席指定席制です。

臨時列車と料金体系

不定期運行のスカイツリートレインの太田発着便は、りょうもう号の停車駅に準じますが、料金体系はリバティりょうもう号に準じます。ゴールデンウィーク時期には、東武佐野線佐野駅まで運転される臨時列車もあり、この場合は佐野市駅を通過します。

特急料金は小児半額で、端数は10円単位で切り上げます。2023年3月18日の改定により、乗車直前に浅草、東武動物公園、久喜駅で購入、または乗車後に購入する場合は、一律200円が加算されます。2021年9月30日までは、「午後割」と「夜割」の割引料金が適用されていましたが、「リバティりょうもう」は対象外でした。

歴史：両毛地方の交通を支える

東武本線系統の優等列車は戦前から存在し、日光・鬼怒川方面への特急列車は観光輸送が中心でした。一方、伊勢崎線・桐生線方面への速達列車は、太田の工業地域や足利・桐生の織物産業を支える役割を担っていました。1933年には無料急行が運行開始されました。

戦後、伊勢崎線にも急行料金が設定され、1953年11月に有料急行として「りょうもう」が運行開始されました。当初は宇都宮線有料急行「しもつけ」と併結運行され、その後、運行区間を延長、愛称も複数使用されるなど、利用者の増加に伴い発展しました。

1969年には、特急車両に準じた内装の1800系車両が導入され、列車愛称を「りょうもう」に統一。全席指定席制となり、東京と両毛地方を結ぶ主要ルートとして定着しました。1990年代にはビジネス客向けの「ビジネスライナーりょうもう」も設定されました。1991年には200系車両が導入され、1999年には特急格上げされました。

その後、車両の更新やダイヤ改正を経て、現在の「りょうもう」と「リバティりょうもう」へと発展してきました。時代とともに変化しながら、両毛地方の交通を支え続けています。

列車名の由来

「りょうもう」という列車名には、群馬県東部と栃木県南西部を指す「両毛」という地域名が由来しています。他に「あかぎ」「おりひめ」「こうづけ」「じょうもう」といった愛称も過去に使用されていましたが、1800系車両導入後は「りょうもう」に統一されました。それぞれの愛称は、赤城山、絹織物の産地、群馬県の旧称など、地域にゆかりのあるものとなっています。

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