両毛

両毛地域：栃木県と群馬県にまたがる歴史と活気

両毛地域は、栃木県南西部と群馬県南東部に広がる、古くから一体として認識されてきた地域です。その歴史は古く、古代には毛野（けの／けぬ）と呼ばれ、後に上毛野国（現在の群馬県）と下毛野国（現在の栃木県）に分割されました。この歴史的背景から、「両毛」という名称が生まれ、上毛野と下毛野の両方にまたがる地域を指すようになりました。両毛という地名は、単なる地理的呼称を超え、住民の生活や経済活動において県境を意識させない、一体感を生み出していると言えるでしょう。

両毛地域の人口は約80万人で、JR両毛線や国道50号といった交通網によって東西が結ばれています。県境を越えた生活圏や経済圏は、日常生活において深く浸透しており、住民同士の交流も盛んです。古くから続く繊維産業をはじめとする様々な産業が発展し、経済的にも豊かな地域です。

両毛広域都市圏総合整備推進協議会

両毛地域の発展に大きく貢献しているのが、「両毛広域都市圏総合整備推進協議会」です。1992年（平成4年）に設立されたこの協議会には、足利市、佐野市（栃木県）と桐生市、太田市、館林市、みどり市、邑楽郡の5町（群馬県）の計11市町、さらに栃木県庁と群馬県庁が参加しています。当初は20市町村が参加しており、平成の大合併を経て現在の構成となっています。

協議会は、県境による行政の縦割りによる弊害を解消し、地域全体の活性化を目指しています。県立高等学校の越境入学の促進や医療、産業振興、観光などの分野で、県境を越えた連携を積極的に進めています。この協議会は、単なる行政機関の枠を超えて、両毛地域住民の生活向上に貢献していると言えるでしょう。

また、東武伊勢崎線とその支線によって、東京都区部とも結ばれています。「両毛地域・東武鉄道観光誘客連絡会議」には群馬県伊勢崎市を含む7市が参加し、観光客誘致にも力を入れています。

交通と商業

両毛地域は、鉄道網が発達している一方、日本でも有数のモータリゼーションが進む地域でもあります。そのため、ロードサイド店舗や郊外型ショッピングセンターが多く見られます。

鉄道

JR東日本両毛線（佐野駅 - 伊勢崎駅）
わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線（桐生駅 - 沢入駅）
上毛電気鉄道上毛線（新里駅 - 西桐生駅）
東武鉄道伊勢崎線、日光線、桐生線、佐野線、小泉線


高速道路

東北自動車道（館林IC - 佐野藤岡IC）
北関東自動車道（太田藪塚IC - 足利IC）


国道

国道17号（上武道路）
国道50号
国道122号
国道293号
国道353号
国道354号
* 国道407号


主要な商業施設としては、イオンモールや佐野プレミアム・アウトレットなどの大型商業施設をはじめ、地域に根付いた中小規模の商業施設も数多く存在します。

両毛地域の歴史と将来

両毛地域は、その歴史の中で幾多の変遷を経験してきました。江戸時代から戦前にかけては北関東における人口密集地域であり、明治時代から昭和時代にかけては生糸などの繊維産業で経済的に繁栄しました。東北本線の建設においても、人口密集地である両毛地域を経由する案が検討されたほどです。昭和の大合併においては、越境合併も発生し、現在の行政区域が形成されました。

現在も、両毛地域は、県境を越えた広域的な連携を強め、活気ある地域として発展を続けています。両毛広域都市圏総合整備推進協議会をはじめとした様々な取り組みによって、地域住民の生活の質の向上や経済発展が期待されます。群馬銀行と足利銀行の連携協定も、地域活性化に大きく貢献しています。両毛地域の将来は、歴史と伝統を活かしつつ、革新的な取り組みによって、更なる発展を遂げるものと期待されます。

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