るり渓

るり渓：光り輝く瑠璃色の渓谷

京都府南丹市園部町大河内を流れる園部川が造り出した、全長約4kmのるり渓は、その美しい景観から国の名勝および府立自然公園に指定されている、人気の観光地です。

かつては「滑」と呼ばれていたこの渓谷は、1905年、三宅樅陰氏と竹内源太郎氏によって「琉璃渓」と命名されました。三宅氏は、渓谷の美しさに感動し、命名を行い、竹内氏はその後、るり渓の魅力にとりつかれ、名勝指定に向けた尽力も行ったと伝えられています。

その名の由来は、渓谷上流にある通天湖から流れ落ちる清流が、太陽光線の反射によって瑠璃色の輝石のように見えることにあります。清らかな水の流れ、奇岩、そして豊かな自然は、訪れる人々を魅了してやみません。

るり渓の地形は流紋岩が浸食されてできたもので、大小様々な奇岩や滝が点在する変化に富んだ景観が特徴です。特に「十二勝」と呼ばれる12ヶ所の景勝地は、それぞれに趣向を凝らした漢詩的な名称が付けられており、錦繍巌、双龍淵、渇虯澗、座禅石、水晶簾など、どれもが絵画のような美しさです。

これらの景勝地は、渓谷の散策路に沿って点在しており、ハイキングを楽しむことができます。特に紅葉の季節には、鮮やかな紅葉が渓谷全体を彩り、まさに絶景となります。大阪や京都近郊からの観光客も多く訪れる、紅葉の名所としても知られています。

十二勝の詳細を見ていきましょう。

鳴瀑: 轟音をとどろかせる迫力ある滝。
掃雲峰: 天に届かんばかりの高さの岩峰。
錦繍巌: 美しい色彩の岩肌が織りなす景観。
座禅石: 瞑想にふさわしい静寂な岩。
螮蝀泉: まるで龍が潜むかのような神秘的な泉。
渇虯澗: 水の少ない時期でも神秘的な雰囲気を醸し出す渓流。
双龍淵: ふたつの滝が流れ落ちる、龍が舞うような景観。
玉走盤: 滑らかな岩肌が、まるで玉が転がるように見える場所。
水晶簾: 繊細な水の流れが、まるで水晶のカーテンのよう。
爛柯石: 古来より人々が集った、歴史を感じさせる巨岩。
會仙巖: 仙人が集まったと伝えられる神秘的な岩。
通天湖: るり渓の源流となる、静寂な湖。

これらの景勝地以外にも、るり渓には多くの魅力があります。深山へと続くハイキングコースは、自然を満喫できる絶好の場所です。また、るり渓温泉も併設されており、日帰り入浴も可能です。

るり渓は、自然の美しさ、歴史、そしてやすらぎを求める人々にとって、忘れられない思い出を刻むにふさわしい場所と言えるでしょう。

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