流紋岩

流紋岩（りゅうもんがん）とは

流紋岩は、火山岩の一種であり、深成岩である花崗岩と化学組成がほぼ同じです。この岩石の最大の特徴は、マグマが流れる際に形成される独特な模様、すなわち流理構造が見られることです。この模様が、岩石の名前「流紋岩」の由来となっています。

かつての分類

以前は、流理構造が認められない流紋岩を「石英粗面岩」と呼んで区別していましたが、現在ではこの名称は用いられず、すべて流紋岩として扱われます。

化学組成と特徴

流紋岩は、二酸化ケイ素（SiO2）の含有量が70%以上のものを指します。これは、火山岩を分類する際の重要な指標となります。多くの場合、斑状組織を持ち、見た目は白っぽい色をしていますが、噴出時の条件や結晶の度合いによって黒色など、様々な色合いを示すことがあります。

構成鉱物

流紋岩は、斑晶と石基から構成されています。斑晶には、無色[[鉱物]]である石英や長石（カリ長石、斜長石）が含まれ、有色[[鉱物]]としては黒雲母や角閃石などが含まれています。

流紋デイサイト

流紋岩とデイサイトの中間的な性質を持つ火山岩は、流紋デイサイトと呼ばれることがあります。

特殊な流紋岩

流紋岩の中には、特殊な性質を持つものがあります。

黒曜岩（黒曜石）: 石基がガラス質で、独特のガラス光沢を持つ流紋岩です。
ピッチストーン（松脂岩）: こちらも石基がガラス質ですが、樹脂のような光沢を持つのが特徴です。
パーライト（真珠岩）: 石基はガラス質で、内部に丸い割れ目が多く見られる流紋岩です。
リソイダイト（木目岩）: 石基が潜晶質の珪長質で、非常に緻密であり、斑晶がほとんど含まれない流紋岩です。

関連情報

岩石: 地球を構成する主要な要素の一つです。
火成岩: マグマが冷えて固まってできた岩石の総称です。
火山岩: 火山活動によって地表に噴出したマグマが冷えて固まった岩石です。
岩石の一覧: 様々な岩石についてまとめた一覧です。
花崗岩: 深成岩の代表的な岩石です。
斑岩: 半深成岩の一種です。

参考文献

久城育夫; 荒牧重雄; 青木謙一郎『日本の火成岩』岩波書店、1989年。ISBN 4-00-005766-9。
豊遙秋; 青木正博『検索入門 鉱物・岩石』保育社、1996年。ISBN 4-586-31040-5。

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