わがまち春日井

わがまち春日井と春日井よいとこ

「わがまち春日井」とは、愛知県春日井市の市民歌であり、1978年に市制35周年を記念して制定されました。この楽曲は、作詞を岡本淳三が担当し、春日井市民の歌作成委員会によって補作が行われました。作曲は著名な作曲家である古関裕而によるもので、春日井市の文化を象徴する音楽として広く親しまれています。

市民歌の制作には、市民参加が重要な役割を果たしました。1977年から始まった「春日井まつり」では、毎年10月に市民の意見を取り入れるための歌詞の一般公募が行われました。この作業を経て、入選した歌詞をもとに市民の歌作成委員会が作品を補作し、最終的に古関裕而に作曲依頼がされました。

1978年10月19日、春日井市民会館で行われた第2回春日井まつり前日に、「市民の歌」の発表会が行われ、そこでダークダックスによって「わがまち春日井」が初披露されました。この瞬間は地域にとって特別なものであり、愛着のある曲として市民に深く定着しました。

また、「わがまち春日井」のレコードは、ポリドール（現在のユニバーサルミュージック）から「春日井よいとこ」との両A面曲としてリリースされ、この新民謡についても興味深い背景があります。「春日井よいとこ」の作詞は松本孝造が担当し、作曲は遠藤実が行いました。

この新民謡は、春日井市民の歌作成委員会による歌詞の一般公募でも生まれた作品であり、原田直之と山田美恵子の歌唱が同じレコードに収録されています。毎年の春日井まつりでは、この曲も「わがまち春日井」と共に演奏され、地域の歌として多くの人々に歌われることが習慣となっています。

春日井市はこのように、地域のアイデンティティを強めるための取り組みとして音楽文化を推進しており、市民の一致団結を図る重要な手段となっています。市民が誇りを持てる楽曲として「わがまち春日井」は地域の行事や学校の音楽授業などで取り入れられ、世代を超えて歌い継がれています。

さらに、2020年にはNHK連続テレビ小説『エール』で古関裕而が物語のモデルとして取り上げられたことをきっかけに、春日井市民文化財団は彼の楽曲のPR活動を行い、記念コンサートの開催を企画しました。このような活動により、「わがまち春日井」は再評価され、次世代にもそのメッセージが引き継がれています。

市民歌「わがまち春日井」と新民謡「春日井よいとこ」は、春日井市にとって単なる歌ではなく、地域の歴史や文化を掘り起こし、未来へとつなぐ大切な音楽資源となっているのです。これからも市民の心に響き、愛され続けることでしょう。

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