わたしと男子と思春期妄想の彼女たち
『わたしと男子と思春期妄想の彼女たち』は、やのゆい氏による
ライトノベル作品です。イラストはみやびあきの氏が担当し、
ファミ通文庫から全4巻が刊行されました。
本作は、第12回
エンターブレインえんため大賞小説部門で優秀賞を受賞しています(受賞時のタイトルは「妄想少女」)。
ストーリー
物語は、主人公である中学2年生の峰倉あすみが、幼なじみの高柳君に恋心を抱くところから始まります。そんなある日、あすみは見知らぬ虚無僧から、不思議なコンタクトレンズを渡されます。そのコンタクトレンズは、男子が心に描く女の子《妄想少女》を映し出すというものでした。
コンタクトレンズを受け取ったあすみは、《妄想少女》たちと出会い、交流を深めていきます。《妄想少女》たちは、あすみの恋を応援し、成就させようと力を貸してくれます。しかし、学校では不可解な出来事が次々と起こり始め、あすみをはじめとする登場人物たちは、思わぬ事態に巻き込まれていくことになります。
物語を通して、あすみはクラスメイトや、大好きな高柳君、そして《妄想少女》たちとの関わりの中で、自分自身の心と向き合い、思春期ならではの多感な感情を学んでいきます。
登場人物
島村中学
峰倉あすみ(みねくら あすみ)
本作の主人公。島村中学2年D組に所属する、少し変わった女の子。虚無僧から《妄想少女》が見えるコンタクトレンズを渡されます。
高柳尚人(たかやなぎ なおと)
あすみの幼なじみで、あすみが想いを寄せる相手。容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能で、女子生徒から絶大な人気を集めています。ぶっきらぼうな態度を取ることが多いですが、実はあすみのことが好きです。
佐島洋平(さじま ようへい)
高柳の親友。整った顔立ちをしていますが、黒縁眼鏡が似合っていません。以前、あすみに「眼鏡の方がかっこいい」と言われたことがきっかけで眼鏡をかけていますが、あすみ自身はそのことを忘れています。あすみに好意を抱いていましたが、高柳があすみを好きなことに気づき、身を引いています。現在は河内利沙に一目惚れしています。
河内利沙(こうち りさ)
C組の美少女。男子生徒からは絶大な人気を誇りますが、性格がきついため女子生徒からは敬遠されています。
郷原剛士(ごりはら つよし)
D組の生徒。柔道部に所属する巨漢で、通称「ゴリ」。情報通で、様々な生徒からの相談に乗っています。
宮里(みやさと)
D組の学級委員。正義感が強い性格です。
仁島祥子(にしま さちこ)
D組の生徒で、図書室の聖女と呼ばれるほどの美少女。
亀山(かめやま)
D組の生徒で、あすみの友人。鶴川と合わせて「剣道部の双璧」や「鶴亀コンビ」などと呼ばれています。
鶴川(つるかわ)
D組の生徒で、あすみの友人。亀山と合わせて「剣道部の双璧」や「鶴亀コンビ」などと呼ばれています。
川上昌治(かわかみ まさはる)
D組の生徒。あすみの発言がきっかけで、仲居加奈に告白し、付き合うことになります。
仲居加奈(なかい かな)
D組の生徒。自身の容姿にコンプレックスを抱いています。
沢田和久(さわだ かずひさ)
D組の生徒。軟派で軽薄な態度を取りますが、実は非常に繊細で傷つきやすい一面を持っています。
土井半助(どい はんすけ)
クラスの担任教師で、社会科を担当しています。生徒思いで頼りになる存在。忍者漫画を愛読しています。
妄想少女
リサ
佐島が宿す《妄想少女》。モデルは河内利沙で、外見もそっくりです。優しく包容力のある性格で、あすみからは親友で最高の女の子だと評されています。佐島のあすみへの好意が反映されており、あすみのことが大好きで、悩むあすみを優しく、時に厳しく支えます。
ユイヒメ
郷原が宿す《妄想少女》。従妹の郷原由衣がモデルで、ピンクのドレスを着た金髪のツンデレです。
ミウ
宮里が宿す《妄想少女》。ブルマの似合う快活な女の子をイメージした外見で、ブルマの体操服姿をしています。
カナ
川上が宿す《妄想少女》。仲居加奈がモデルで、メイド服姿をしています。勤務中は喋らないため、無口だと思われています。
ミツキ
土井先生が宿す《妄想少女》。妻の妊娠中の二娘の想像から生まれた姿をしています。
サチコ
沢田が宿す《妄想少女》。仁島祥子がモデルで、外見はオリジナルよりも若干大人びた印象です。
その他
虚無僧
謎の僧侶。あすみに悪霊が取り憑いていると警告し、《妄想少女》が見えるコンタクトレンズを渡します。その後も、あすみに危機が迫ると現れ、警告やお助けアイテムを与えます。詳細を話していないのに悪霊が少年だと知っていたため、あすみは妙蓮寺の住職が正体ではないかと考えています。
既刊一覧
やのゆい(著)・みやびあきの(イラスト)、エンターブレイン〈ファミ通文庫〉、全4巻
『わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 1 リア中ですが何か?』、2011年1月29日発売、
ISBN 978-4-04-727026-8
『わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 2 外泊ですが何か?』、2011年4月30日発売、ISBN 978-4-04-727225-5
『わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 3 ラブメイドですが何か?』、2011年8月29日発売、
ISBN 978-4-04-727468-6
* 『わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 4 リア充ですが何か?』、2012年1月30日発売、
ISBN 978-4-04-727792-2