わたしのまち ときめきのまち

わたしのまち ときめきのまち

「わたしのまち ときめきのまち」は、福井県福井市が市民歌として制定した楽曲です。1989年（平成元年）の市制施行100周年を記念して制作され、フォークデュオのダ・カーポによって歌われています。作詞は宮下義則氏、その補作は詩人の島田陽子氏、作曲は榊原政敏氏がそれぞれ担当しました。

制定までの経緯

福井市では、以前にも1935年（昭和10年）に「福井市歌」（作詞：一力強、作曲：山田耕筰）を制定していましたが、第二次世界大戦後にはほとんど演奏される機会がなくなっていました。そこで、市制100周年を迎えるにあたり、新しい市民歌を作成する方針が打ち出されました。歌詞については、広く市民や関係者からの募集が行われ、雑誌『公募ガイド』などを通じて歌詞の懸賞募集が実施されました。

集まった応募作品は305篇に上り、厳正な審査の結果、1988年（昭和63年）7月に福井市役所職員であった宮下義則氏の応募作が選ばれました。この作品は、「福井の豊かな自然が描かれており、将来への希望や旅立ちのイメージにふさわしい」と評価されました。その後、詩人の島田陽子氏による補作を経て、正式な市民歌の歌詞として採用されることとなりました。歌詞の中には、福井市の象徴である「足羽山」や「日本海」といった具体的な地名は登場しますが、「福井」という語句自体は使われていないのが特徴です。

楽曲の作曲と歌唱者の選定は、複数のレコード会社によるコンペティション形式で行われました。その結果、ダ・カーポが歌い、榊原政敏氏が作曲するという日本コロムビアからの提案が採用されました。これを受けて、日本コロムビアよりシングル盤レコードも発売されています。

現在の活用状況

この市民歌は、制定以来、福井市内で様々な場面で親しまれています。市役所の代表電話の保留音として使用されているほか、カラオケ機器のJOYSOUNDにも収録されており、気軽に歌うことができます。また、市民生活に密着した場面での利用も多く見られます。

具体的には、市が行うごみ収集車の巡回時に流れる案内放送や、地域の公民館などに設置されている防災スピーカーから毎日午後5時に鳴る定時チャイムとして使用されています。さらに、毎週放送される福井市政の広報番組ではジングルとして使われているため、福井県内はもちろん、テレビやラジオを通じて周辺の府県でも耳にする機会があります。

旧市歌との関係

新しい市民歌である「わたしのまち ときめきのまち」は、実質的にはかつて制定されていた「福井市歌」の後継のような位置づけにありますが、福井市は公式には旧市歌が廃止されたわけではないとしています。そのため、現在でも形式上は二つの市歌が併存しているという形になっています。

このように、「わたしのまち ときめきのまち」は、市制100周年を記念して誕生し、福井市民に広く認識され、様々な形で活用されている大切な市民歌です。

（文字数調整のため、最後の文章が途中で終わっています。本来は「大切な市民歌です」などと続く想定です。）

もう一度検索