わたしの日々

『わたしの日々』は、漫画家・水木しげるが晩年に『ビッグコミック』で連載したオールカラーのエッセイ漫画です。2014年から2015年にかけて連載され、水木自身の日常や過去の出来事を描いています。水木作品としては珍しい、肩の力を抜いたような作風が特徴です。

連載当時、水木は90歳を超えていましたが、複数の連載を抱え、ツイッターで執筆風景を発信するなど精力的に活動していました。しかし、連載は約1年半で突然終了。その理由について、水木プロは精神的な負担とネタ不足を挙げています。

単行本は小学館から2015年7月に出版されました。単行本には、水木の少年・青年時代の絵画作品が収録されており、南伸坊による解説も掲載されています。

2015年11月に水木が死去したことで、本作の最終回となった便秘で病院へ行くエピソードが遺作となりました。この最終回は大きな話題を呼びました。

『ビッグコミック』では、水木は創刊時からの執筆メンバーでした。水木の死後、同誌では追悼特集が組まれ、その功績を称えました。

また、水木の連載終了後、同じ枠で連載が開始された、ちばてつやのエッセイ漫画『ひねもすのたり日記』は、第1話で『わたしの日々』のシーンをオマージュしています。これは、ちばてつやが水木しげるへの敬意を表したものでしょう。

水木しげるの晩年の日常を垣間見ることができる貴重な作品であり、水木ファンにとっては必読の作品と言えるでしょう。肩の力が抜けた優しい絵柄と、飾らない言葉で綴られた水木の日常は、読む人の心を温かくしてくれるでしょう。

書誌情報
わたしの日々（ビッグコミックススペシャル、2015年7月、ISBN 978-4-09-187266-1）
水木しげる人生絵巻／わたしの日々 他（講談社〈水木しげる漫画大全集〉、2018年5月、ISBN 978-4-06-378153-3）

外部リンク
* わたしの日々 - 小学館

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