わたしの青い鳥 桜田淳子 REMIX & BEST

桜田淳子のアルバム『わたしの青い鳥 桜田淳子 REMIX & BEST』（わたしのあおいとり さくらだじゅんこ リミックス アンド ベスト）は、1992年12月16日にビクター音楽産業（現・ビクターエンタテインメント）より発売された、彼女のベスト・アルバムの一つです。

このアルバムは、「REMIX & BEST」というタイトルが示す通り、桜田淳子の輝かしいキャリアの中から選ばれた代表的なヒット曲や人気曲に新たなアレンジを施したリミックスバージョンを中心に構成されています。収録曲は全10曲で、これらの楽曲はすべて、音楽プロデューサー・編曲家として知られる米光亮氏によって大胆かつ新鮮なリミックスが手掛けられています。これにより、原曲の魅力はそのままに、当時の音楽シーンに合わせた現代的なサウンドで楽曲が再構築され、ファンに新たな驚きと感動を提供しました。

また、本作は音楽的な内容だけでなく、視覚的な側面でも特筆すべき点があります。アルバムのジャケットアートは、他ならぬ桜田淳子本人が描いた絵が採用されており、歌手としての活動にとどまらない彼女の芸術的な才能や、作品への深い思い入れが込められています。このセルフプロデュースとも言えるアートワークは、アルバムに独特のパーソナリティを与えています。

収録曲は、阿久悠、中村泰士、森田公一、中島みゆき、松本隆、筒美京平、萩田光雄、尾崎亜美といった日本の音楽史に名を刻む著名な作詞家・作曲家陣が手掛けた名曲ばかりです。米光亮氏によるリミックスが施されたこれらの楽曲は、以下の通りです。

「天使も夢みる」 作詞: 阿久悠、作曲: 中村泰士、編曲: 米光亮
「わたしの青い鳥」 作詞: 阿久悠、作曲: 中村泰士、編曲: 米光亮
「花物語」 作詞: 阿久悠、作曲: 中村泰士、編曲: 米光亮
「はじめての出来事」 作詞: 阿久悠、作曲: 森田公一、編曲: 米光亮
「夏にご用心」 作詞: 阿久悠、作曲: 森田公一、編曲: 米光亮
「しあわせ芝居」 作詞・作曲: 中島みゆき、編曲: 米光亮
「追いかけてヨコハマ」 作詞・作曲: 中島みゆき、編曲: 米光亮
「リップスティック」 作詞: 松本隆、作曲: 筒美京平、編曲: 米光亮
「サンタモニカの風」 作詞: 阿久悠、作曲: 萩田光雄、編曲: 米光亮
「LADY」 作詞・作曲: 尾崎亜美、編曲: 米光亮

本アルバムに収録されたこれらのリミックスバージョンは、後に2007年に実施された桜田淳子のオリジナルアルバム全19作品の復刻プロジェクトの際、それぞれのオリジナルアルバムにボーナストラックとして追加収録される形で再びリリースされました。例えば、「天使も夢みる」は復刻盤『そよ風の天使+9』に、「わたしの青い鳥」は『わたしの青い鳥+8』に、といった形で分散収録されています。これは、リミックスによって新たな命を吹き込まれたこれらの楽曲が、桜田淳子の音楽カタログの中で重要な位置を占めていることを示唆しています。

『わたしの青い鳥 桜田淳子 REMIX & BEST』は、単なるベストアルバムとしてだけでなく、過去の名曲を現代的なサウンドで再解釈し、桜田淳子自身のクリエイティビティも反映された、ファンにとって貴重な作品と言えるでしょう。発売当時のリスナーには新鮮な驚きを、後のリスナーにはオリジナル曲との聴き比べの楽しみを提供するなど、時代を超えて愛されるアルバムとなっています。

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