わたりとしお

わたりとしお：苦難を乗り越えたダンサーの軌跡

わたりとしお氏（本名：亘肇夫、1961年8月14日生まれ）は、日本のプロダンサーとして知られています。現在は芸名「watari」として活動し、エターニティに所属しています。神奈川県出身で、東京大学教育学部健康教育学科卒業という学歴を持つ異色の経歴の持ち主です。

経歴は華々しいものから始まりました。日経BP社やリクルートで記者として活躍した後、ダンススタジオを設立。映画『Shall we ダンス?』の振り付けや、人気バラエティ番組『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』内の「ウリナリ芸能人社交ダンス部」でダンス指導を行うなど、一躍人気講師となりました。

しかし、1999年、母親の自殺という悲劇に見舞われます。さらに同年、「女性セブン」によるセクハラ疑惑報道を受け、鬱病を発症。経営していたダンススタジオの倒産、自己破産、自殺未遂など、数々の困難に見舞われました。5年間におよぶ闘病生活を経て、社会復帰を果たすことができました。その間、かつて「ウリナリ社交ダンス部」で共に活動した杉本彩氏からの支えが大きな力となり、その感謝を著書で綴っています。

2008年には、映画『Shall we ダンス?』の二次利用における著作権侵害を主張し、製作会社の角川映画を相手に訴訟を起こしました。しかし、2012年、東京地方裁判所はわたりの主張を退ける判決を下しました。

その後、わたり氏は心理カウンセラー、音楽療法士、ダンスセラピストとして活動を展開。鬱病や精神的な困難を抱える人々への講演活動にも力を入れています。「ウリナリ」出演時と比べて30kg以上体重が増加したことも明かしています。

政治への関心も高く、2012年には東京都議会議員補欠選挙（葛飾区選挙区）、2013年には葛飾区議会議員選挙に立候補しましたが、いずれも落選しました。

テレビ番組への出演経験も豊富です。フジテレビの『ラテン専科』（1996年）、TBSの『クイズ☆タレント名鑑』（2011年）などに出演。ゼビオのCMにも出演し、ダンスを披露しました。

著作活動も盛んで、『写真と絵で覚えるダンス入門』、『わたりとしおのニューダンスレッスン ペアダンス篇』、『わたりとしおのニューダンスレッスン ストリート篇』、『リセット　－うつ病と闘った1,826日の記録－私はまた踊る』、『魅せる社交ダンスラテンのポイント50』、『赤い雪』など、多数の著書を出版しています。

彼の経験は、多くの人々に勇気を与えるものです。華やかな表舞台だけでなく、苦悩と闘い、そこから這い上がっていく姿は、まさに人生のロールモデルと言えるでしょう。現在も、心理カウンセラー、音楽療法士、ダンスセラピストとして活躍する傍ら、講演活動を通して、自身の経験を活かし、多くの人々に寄り添っています。 彼の今後の活躍にも期待がかかります。

もう一度検索