わらべ

わらべの誕生とその歴史

わらべは、1982年にテレビ朝日系のバラエティ番組『欽ちゃんのどこまでやるの!』から誕生したユニットです。メンバーは高部知子、倉沢淳美、そして高橋真美の3人で、アイドル全盛期の中で特異な存在感を放ちました。

背景

ユニットが結成されるきっかけは、萩本欽一が担当していた複数の番組の視聴率が高いことにありました。特に『欽ドン!』から派生したイモ欽トリオの「ハイスクールララバイ」が大ヒットしたことで、新たな企画が求められていました。また、同番組の1982年リニューアルに伴い、これまで人形や子役が担当していた役を高校生として成長したキャラクターに置き換えるという新しい試みが行われました。この流れの中で、オーディションを経て、当時の若手女優たちが選出され、わらべが結成されたのです。

高部はかつての番組『欽ちゃんの週刊欽曜日』からのキャスティング後、萩本の判断により『欽ちゃんのどこまでやるの!』に移行し、他の2人と共にユニットとして活動することになりました。当時のアイドルたちと比べて素朴さが際立ち、観客の注目を集めました。

グループ名の由来

「わらべ」というグループ名は、萩本欽一が「童（わらべ）」と「笑うべ」を掛け合わせた言葉です。また、メンバー名も「のぞみ」「かなえ」「たまえ」と希望の意を表す語呂合わせが含まれています。

デビューとヒット

わらべは1982年9月に『欽ちゃんのどこまでやるの!』で初めて紹介され、その後同年12月にリリースしたシングル「めだかの兄妹」が大ヒットを記録しました。この曲は、オリコン年間シングルチャートで第3位となり、番組のエンディングテーマとして使われていたものです。彼女たちはパジャマ姿で歌うことで親しみやすさを醸し出し、幼い視聴者たちに受け入れられました。

しかし、大ヒットの陰には規制の問題もあり、曲が物品税の課税対象となったことが国税庁とレコード会社間での論争を引き起こしました。

ニャンニャン事件

順調に見えた活動は、1983年6月に高部知子のスキャンダルが報じられたことで一変します。週刊誌に掲載された写真が彼女のイメージを大きく損ない、テレビ番組からの降板を余儀なくされました。彼女はしばらくの間、公の場に現れないこととなり、その出来事は「ニャンニャン事件」として後に語り継がれることになりました。

再起とその後

事件後、倉沢淳美と高橋真美は1983年12月に「もしも明日が…。」というシングルを発表し、再びチャートの上位に食い込みました。この曲は1984年の年間シングルチャートで第1位を記録し、彼女たちの新たな出発を示す作品となりました。続くシングル「時計をとめて」もリリースされましたが、ヒットには至らなかったものの、彼女たちのキャリアは確固たるものとなりました。

解散後の影響

1985年にユニットは解散し、それぞれが女優やタレントとして活動を続けました。彼女たちの楽曲は、今なお多くの人々に愛され、幼児教育の楽譜集に収められるほどの影響力があります。また、近年ではさくら学院が「めだかの兄妹」をカバーし、現代のアイドルたちにも当時の影響が見受けられます。

わらべは、シンプルかつ親しみやすい音楽を通じて、多くのファンの心を掴み、今なおその存在感を失ってはいません。

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