わんぱく大昔クムクム

わんぱく大昔クムクム

『わんぱく大昔クムクム』は、1975年10月から1976年3月にかけてTBS系列で放送されたテレビアニメです。この作品は毎日放送とITCジャパンの共同製作によるものであり、放送時間は毎週金曜日の19:00から19:30に設定されていました。制作には創映社（現・サンライズ）が関わり、原作やキャラクターデザインは安彦良和が手掛け、監督はりんたろう、音楽は宇野正寛が担当しました。

作品の概要

本作のストーリーは、原始時代を背景に、元気で好奇心旺盛な少年クムクムが仲間たちや村の人々との交流を通じて成長していく様子を描いています。作品は子供たちの友情や冒険を、純粋な目線で表現しており、その内容から中央児童福祉審議会からの推薦も受けました。

放送初期には『クムクム』というタイトルでしたが、1975年11月からは『まんが・わんぱく大昔クムクム』と改題され、より大自然の中での原始時代の子供たちの活躍を感じさせるものに変わりました。この改題の目的は、視聴者に親しみやすさを与えることでした。

制作過程

安彦良和は、元々はメカもののアニメ製作に多く関わっていましたが、より柔らかいテーマの作品を作りたいと考え、創映社との話し合いの結果、クムクムのアイデアが生まれました。また、江崎グリコに目をつけられたことがアニメ化のきっかけとなりました。初めての監督をりんが引き受けることになりましたが、安彦自身は管理職にのみ名を残すこととなりました。

企画進行の中で、キャラクターのデザインやストーリーはしばしば変更され、最終的には安彦の思いが反映された形で放送が開始されることとなりました。第16話では、クムクムの家出をテーマにした話に対し、局やスポンサー側から内容変更の要請があったものの、りんはそのままの内容を押し通したとのエピソードもあります。

登場人物たち

• - クムクム：本作の主人公である元気な少年。好奇心が強く、時にはいたずらが過ぎて罰を受けることも。
• - パルパル：クムクムの父。威厳がある一方で、酒を飲むとだらしない面も見せる。
• - マルマル：クムクムの母で、優しさが特徴。
• - フルフル：思春期の少女で、時には父と対立。
• - トルトル：クムクムの弟。まだ幼いです。
• - チルチル：クムクムの友達で、父を亡くした少女。
• - アロン、モチモチ：クムクムの遊び仲間たち。
• - クロペディア：村の知識人で、石の板に囲まれた生活をしています。

この他にも村の人々や関係者が登場し、彼らの人間関係や成長が描かれています。

スタッフと音楽

音楽面では、日本コロムビアからの主題歌があり、オープニングテーマは「クムクムのうた」、エンディングテーマは「サウルスくん」として、木島始が作詞、すぎやまこういちが作曲を手掛けました。

放送と受容

このアニメは日本国内だけでなく、後にアルゼンチンでも放映されることもあり、サッカー選手セルヒオ・アグエロが熱中したことでも知られています。また、アニメ放送に合わせて講談社の『テレビマガジン』ではコミカライズも連載され、さらには4コマ漫画も新聞に掲載されるなど、多方面でこの作品は愛されました。作品の始まりも終わりも「おしおき穴」がテーマになっており、印象深いものとなっています。

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