アイ'ム ホーム

『アイ’ム ホーム』の概要と背景

『アイ’ム ホーム』は、日本の漫画家石坂啓による作品で、1997年から1998年にかけて『ビッグコミックオリジナル』（小学館）に連載されました。この作品は、平成11年度第3回文化庁メディア芸術祭大賞を受賞するなど、高く評価されています。1999年には単行本として上下巻が出版され、以降に数度のテレビドラマ化も実現しています。特に2004年にはNHKで、2015年にはテレビ朝日でそれぞれドラマ化され、多くの視聴者に感動を与えました。

タイトルの由来

タイトルの「アイ’ム ホーム」(I'm home)は、作者のギリシャ旅行中に見たパンフレットからインスパイアを受けています。このパンフレットには「アイムホームと言って戻ってもらえるような部屋を目指して……」という内容が記されており、帰宅時の挨拶「ただいま」を英訳したものであると同時に、家庭の温かさを象徴する言葉でもあります。単行本のあとがきでは、主人公が家族との絆を再確認する過程が家族の努力によるものであることが語られています。

物語の内容

主人公の家路久（いえじひさし）は、能力に優れた銀行員として働いていましたが、左遷され単身赴任中に意識不明となる事故に遭遇します。この事故によって彼は記憶を失い、過去の経験や人間関係、さらには離婚した前妻や娘、そして新しい家族との関係に困惑することになります。

物語は、久が「自分にとっての家とは何か」、「家族とは何なのか」という根源的な問いに向き合う様子を描いています。彼の苦悩や葛藤を通じて、読者は家庭の持つ本当の意味や、家族の絆の重要性を再認識させられます。

書誌情報

連載は以下の号で行われました。

• - 1997年7月5日：思い出した家
• - 1997年8月5日：アイジンの家
• - 1997年9月20日：親の住む家
• - 1998年12月20日：帰る場所

そして、2004年版のNHKドラマは、全20話として放送され、俳優の時任三郎が家路久を演じました。2015年版では木村拓哉が主演し、再度この物語が作品化され多くの話題を呼びました。特に、視聴率が高く記録にも残る人気作となりました。

テレビドラマへの展開

2004年版ドラマ『アイ’ム ホーム 遥かなる家路』は、神戸を舞台に、家路久の人間的な葛藤と家族の大切さを描いています。2004年11月から12月にかけて放送され、視聴者の心に深く刻まれました。一方、2015年版『アイムホーム』は、平成27年4月16日から6月18日の間、テレビ朝日系で放送されました。こちらも主演の木村拓哉が圧倒的な演技で、多くのファンに愛されていました。

結論

『アイ’ム ホーム』は、家庭における安住感や互いの理解を重視した心温まるストーリーであり、時代を超えて多くの人々に共感を呼んでいます。この作品を通じて、家族や帰宅の意味を考え直すきっかけになることでしょう。

もう一度検索