アイオワ・スピードウェイ

アイオワ・スピードウェイは、アメリカ合衆国アイオワ州ニュートンに位置するオーバルトラックです。デモインの東、約48kmに位置し、モータースポーツファンに人気のスポットとなっています。

トラックの特徴

このトラックは、全長1.4kmの7/8マイルオーバルコースで、独特のDシェイプ型をしています。リッチモンド・インターナショナル・レースウェイとよく似た形状で、コーナーは12°から14°のバンク角を持つプログレッシブバンクとなっています。この設計は、元NASCARドライバーのラスティ・ウォレスによるもので、レーシングドライバーの経験に基づいた設計思想が反映されている点が大きな特徴です。ウォレス自身も、このトラック設計の意図について「ストックカーが3ワイドで走行することを想定した」と語っており、複数台による迫力ある競争を可能にする設計となっています。

コースには25,000以上の観客席が設置されており、バックストレッチにはキャンピングカー用の観戦エリアも用意されています。観客は、コースを間近で観戦でき、臨場感あふれるレース体験ができます。

インディカー・シリーズでは、ダウンフォース指向のロードコース用エアロパーツが使用されます。そのため、周回平均速度は300km/h弱と、他のオーバルコースと比べると決して高速ではありません。しかし、マシンの調子が良ければほぼ全開で周回できるため、ドライバーのテクニックとマシンの性能が勝敗を大きく左右する、手に汗握るレース展開が期待できます。インディカーの場合、3ワイドになることは少ないですが、Dシェイプオーバル特有の、サイドバイサイドでの接戦が長時間続く展開が見られます。

開催レースと歴史

アイオワ・スピードウェイは2006年9月にオープンし、最初のレースとしてSoy Biodiesel 250が開催されました。このレースでは、ウッディ・ハワードが優勝しています。

2007年からは、インディカー・シリーズの「アイオワ・コーン・インディ250」が開催されるようになり、日本人ドライバーも数々の活躍を見せています。2008年には武藤英紀選手が日本人最高位タイの2位を獲得し、2011年には佐藤琢磨選手が日本人ドライバーとして初めてポールポジションを獲得するなど、記憶に残るレースが数多く展開されています。

インディカー・シリーズでは、2012年以降、予選をヒートレース方式で実施しています。この方式により、予選の展開もさらにスリリングなものとなっています。

現在では、インディカー・シリーズ以外にも、NASCARネイションワイド・シリーズ、NASCARキャンピングワールド・トラック・シリーズ、ファイアストンインディ・ライツなどのレースが開催されており、多様なカテゴリーのレースを楽しむことができます。 アイオワ・スピードウェイは、アメリカ中西部のモータースポーツの中心地として、今後も多くのファンを魅了し続けるでしょう。

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