アイザック・イズラエル・ヘイズ

アイザック・イズラエル・ヘイズに関する詳細

アイザック・イズラエル・ヘイズ（Isaac Israel Hayes）は、1832年3月5日にペンシルベニア州チェスター郡で生まれ、1881年12月17日に亡くなったアメリカ合衆国の著名な北極探検家・医師・政治家です。医学の道を志し、ペンシルベニア大学で学び、1853年に医師の資格を得ました。彼の生涯で最も多く知られているのは、北極地域に関する探険とその成果です。

初期の探険活動

ヘイズは1853年から1855年にかけて、エリシャ・ケント・ケインが指揮する第二次グリネル遠征に船医として参加しました。この探険の目的は、行方不明となったフランクリン遠征隊の行く末を追うことでした。1854年には、エルズミーア島の東海岸を探検し、新しい正確な地図作成を実現し、多くの地理的発見をしました。彼は非先住民としてエルズミーア島を探検した初の人物と考えられています。

自らの探検隊の結成

1860年から1861年にかけて、ヘイズは自らの探険隊を結成し、さらにエルズミーア島の海岸を北上しました。彼は北緯81°35'、西経70°30'に達したと主張しましたが、後の調査で実際にはこの地点は内陸部であったことが判明します。彼はまた、計測時に誤った手法を使用し、六分儀による観測値を誤って記録したと考えられています。1861年には、最北点とされるケープ・コリンソンに到達しました。

南北戦争とその後

1861年にアメリカに帰還したヘイズは、南北戦争が勃発する中で、当時急造された北軍の病院であるサタリー総合病院を指揮しました。彼は戦争の間、1867年に王立地理学会から金メダルを受賞し、またパリ地理学会からも同様の名誉を与えられました。1869年には、画家ウィリアム・ブラッドフォードの支援を受け、グリーンランド探検を行います。この探検は彼にとって最後の北極圏探検となりました。

政治家としての活動

ヘイズは生業だけでなく、政治の世界でも活動しました。彼は共和党からニューヨーク州議会に選出され、1876年から1881年までの数年間、州議会に参加しました。彼の知識と経験は、地理学的な発見に留まらず、政治や社会への影響も及ぼしました。

名を残す地名と著作

彼の探検活動の一環として、エルズミーア島のユナイテッド・ステイツ山脈は彼の船名から名づけられ、ロシアのヘイス島も彼にちなんで命名されました。また、ヘイズは多くの著作を残しており、彼の著書には『食物の関係と人間の低温抗力に関する観察』（1859年）、『北極のボート旅行』（1860年）、『開けた北極海』（1867年）などが含まれます。彼の著作は、当時の北極探検における重要な文献として評価されています。

アイザック・イズラエル・ヘイズは、探検家、医師、政治家としての業績を通じて、アメリカの北極探検における重要な人物とされています。彼の努力や発見は、今もなお多くの研究者や探険家に影響を与え続けています。

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