アイスレーベンとヴィッテンベルクにあるルター記念建造物群

アイスレーベンとヴィッテンベルクにあるルター記念建造物群は、ドイツに位置するユネスコの世界遺産です。この遺産群は、近世ヨーロッパ史における重大な出来事である宗教改革の中心人物、マルティン・ルターの生涯と業績を今に伝える貴重な建造物群で構成されています。

登録対象

この世界遺産は、ルターの足跡を辿る上で重要な2つの都市、アイスレーベンとヴィッテンベルクに点在する建造物で構成されています。

アイスレーベン

アイスレーベンは、ルターが生まれた地であり、その生涯を閉じた場所でもあります。

ルターの生家 (Luther's birthplace, ID 783-001)
ルターが生まれた家ですが、生後間もなくマンスフェルトへ転居したため、実際に過ごした期間はわずかです。現存する建物は17世紀末に再建されたものです。
ルター晩年の家 (The house in which Luther died, ID 783-002)
ルターは亡くなる1か月前に故郷であるアイスレーベンに戻り、1546年2月にこの家で息を引き取りました。当時の面影を色濃く残すこの家には、ルターの肖像画や書簡など、彼にまつわる品々が展示されています。

ヴィッテンベルク

ヴィッテンベルクは、ルターが「95か条の論題」を発表した地であり、宗教改革の中心地として重要な役割を果たしました。

ルター・ホール (Luther Hall, ID 783-003)
元々は修道院の建物で、ルターが住居として使用していました。現在は博物館として公開されています。
メランヒトンの家 (Melanchthon's house, ID 783-004)
人文主義者フィリップ・メランヒトンが住んでいた家です。現在はメランヒトンに関する展示が行われています。
町の教会 (The Town Church, ID 783-005)
マルクト広場に位置するこの教会で、ルターは説教を行いました。
城付属聖堂 (The Castle Church, ID 783-006)
「95か条の論題」が扉に貼り付けられたとされる教会として知られています。現在の建物は19世紀に再建されたものです。

登録基準

この世界遺産は、以下の登録基準を満たしています。

(4): 人類の歴史における重要な時代を例証する、建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の顕著な例であること。
(6): 顕著な普遍的意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰、または芸術的・文学的作品と直接的または明確に関連するものであること（この基準は他の基準と組み合わせて用いられることが望ましいとされています）。

これらの建造物群は、ルターの生涯と宗教改革という歴史的転換期を物語る上でかけがえのない存在であり、人類の遺産として高く評価されています。

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