アイズヒメアザミ

アイズヒメアザミ（会津姫薊）

アイズヒメアザミ（学名：Cirsium aidzuense）は、キク科アザミ属に属する多年草であり、別名としてアイヅヒメアザミとも呼ばれています。主に福島県会津地方に自生しており、その生態や特徴について詳しく見ていきましょう。

特徴

アイズヒメアザミは、茎の高さが約1メートルから1.5メートルに達します。この茎には毛があり、その表面が特徴的です。葉は長楕円形をしており、特に茎の下方に位置する葉は、広く茎を抱きつつ羽状に深く裂けることがあります。一部は全裂することもありますが、茎が上向くにつれて裂け方が変わり、羽状の形状は失われていきます。また、葉の縁には鋭いとげがついているため、触れる際には注意が必要です。

花期は9月から10月にかけてであり、この時期には特に目立つ紫色の頭花が茎の先端や葉腋に向かって上向きに咲きます。頭花の直径はおおよそ25ミリメートルであり、総苞は卵形で直径は約7ミリメートル程度です。興味深いことに、総苞片は粘着性がなく、花が咲いている時期には地面に生える根生葉は存在しません。

分布と生育環境

アイズヒメアザミは、他のアザミ属に属する植物に比べて分布が非常に限られており、主に福島県会津地方に生息しています。さらに、この地域に接する山形県、新潟県、群馬県、栃木県の一部にも分布しています。彼らは主に山地の林や林縁に自生し、自然環境において重要な役割を果たしています。その基準産地は福島県会津若松市東山町であり、ここでの生育状況が特に注目されています。

保護状態

アイズヒメアザミは、環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧IA類（CR）として評価されています。この分類は、非常に危険な状況にあることを意味しており、過去にはIB類（EN）としても分類されていましたが、現在はR（CR）とされ、その保護に向けての取り組みが進められています。生息地の保全や人間の活動による影響を最小限に抑えることが求められています。

参考文献

アイズヒメアザミに関する情報は、佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編の『日本の野生植物 草本III 合弁花類』（1981年・平凡社）などが参考になります。

関連項目

• - アザミ

外部リンク

• - アイズヒメアザミの分布 - 植物レッドデータブックCOMPLETE
• - アイヅヒメアザミ - 会津若松市役所HP『身近な生き物大図鑑』

このように、アイズヒメアザミは独特な生態と形状を持ち、保護が必要な貴重な植物として認識されています。

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