アイダホ (戦艦)

USSアイダホ（BB-42）の艦歴

USSアイダホ（BB-42）は、アメリカ海軍の戦艦であり、ニューメキシコ級戦艦の3番艦としてその名を歴史に刻みました。艦名はアメリカ合衆国アイダホ州に由来し、この名を持つ艦としては4隻目にあたります。

起工から第一次世界大戦終結まで

1915年4月5日、ニュージャージー州カムデンのニューヨーク造船所でその建造が始まりました。1917年6月30日には、アイダホ州知事の孫娘であるH・A・リモンズ夫人によって命名、進水しました。そして1919年3月24日、C・T・ヴォーゲルゲザング大佐の指揮下で就役しました。

就役後、アイダホはグアンタナモ湾沖での整調訓練を経て、ニューヨークへ帰還。ブラジル大統領エピタシオ・ペッソアを乗せ、リオデジャネイロへと向かいました。7月17日にリオデジャネイロに到着後、パナマ運河を通過し、カリフォルニア州モントレーに到着、太平洋艦隊に編入されました。1920年には、海軍長官や内務長官を乗せ、アラスカへの視察航海も行いました。

戦間期の活動

1920年代、「アイダホ」はカリフォルニア沿岸やチリ南部での艦隊演習に度々参加しました。また、西海岸での様々な式典にも参加。1923年には、ウォレン・ハーディング大統領による閲艦式にも参加しています。1925年にはハワイでの艦隊演習後、サモア、オーストラリア、ニュージーランドを訪問。帰路では、海軍飛行家ジョン・ロジャースとその水上機をサンフランシスコまで運搬する任務も担いました。

1930年代初頭まで、アイダホはカリフォルニア沖やカリブ海での演習を続けました。1931年9月30日にはノーフォーク海軍工廠に入り、近代化改修に着手しました。この改修では、装甲の強化、対潜防御区画の増設、新型機材の搭載、三脚マストの設置などが行われ、1934年10月9日に完了。改修後はカリブ海での整調訓練を経て、1935年4月17日に母港サンペドロへと帰還しました。

第二次世界大戦

1945年3月21日、アイダホはデヨ少将率いる艦砲支援グループの旗艦として沖縄へと出航しました。3月25日には沖縄本島沖に到着し、日本軍の沿岸砲台や施設への艦砲射撃を開始。4月1日の上陸作戦開始後も、日本軍の特攻機による反撃に晒されながらも、アイダホは多数の日本軍機を撃墜しました。4月12日の集中的な攻撃では、5機の特攻機を撃墜するも、自らも損傷を受け、応急修理後、グアムへと後退しました。

修理を終えたアイダホは、5月22日に沖縄本島沖へと復帰し、6月20日まで火力支援を継続。その後、レイテ湾での戦闘演習を経て、8月15日の終戦を迎えました。終戦後、占領部隊の一部として8月27日に東京湾へ入港、9月2日には戦艦ミズーリ艦上で行われた降伏調印式典にも参加しました。

戦後

9月6日に帰国の途についたアイダホは、パナマ運河を経由し、10月16日にノーフォークに到着。1946年7月3日に退役し、予備役艦隊へと編入されました。その後、1947年11月24日にニューヨークのリプセット社にスクラップとして売却され、その長い艦歴に幕を閉じました。

アイダホは、第二次世界大戦での戦功により、7個の従軍星章を受章しています。

外部リンク

US Navy Historical Center gallery - ウェイバックマシン（2001年2月17日アーカイブ分）
Maritimequest USS Idaho BB-42 Photo Gallery

もう一度検索