アイダレッド

アイダレッド

アイダレッドは、アメリカ合衆国アイダホ州で生まれたリンゴの品種です。1930年代にジョナサン（紅玉）とワグナーを交配して作られ、1942年に発表されました。その美しい赤い果実と、甘酸っぱい味わいが特徴です。

特徴

樹の特徴: 樹は開張性で、樹勢は中程度です。わい化しやすく、たくさん実をつけます。収穫時期は10月頃です。
自家不和合性: S遺伝子型はS3S7です。
病害虫への耐性: 癌腫病、うどんこ病、さび病に対する感受性が高いので注意が必要です。
果実: 中型から大型で、円形または偏円形です。地色は黄緑色から黄色で、全体が紅色に染まります。果皮は滑らかで光沢があり、熟すと油あがりすることがあります。果肉は淡黄色で、硬く緻密です。果汁が多く、甘酸っぱい味が楽しめます。ただし、早めに収穫したものは、味がやや淡白な傾向があります。
貯蔵性: 貯蔵性が非常に高く、普通冷蔵で4–6ヶ月ほど保存できます。

利用方法

アイダレッドは、生食はもちろん、アップルソースやアップルパイなど、さまざまな調理に利用できます。形が崩れにくいため、焼きリンゴにも適しています。また、シードルの原料としても使われます。

生産

アイダレッドはヨーロッパで広く生産されており、2022/2023年の生産量はリンゴ全体の5.3%を占め、品種別では第4位でした。アメリカ合衆国における2022/2023年のリンゴ生産では、アイダレッドの生産量は全体の2.3%で、品種別では第11位でした。

歴史

アイダレッドは、1930年代にアイダホ農業試験場で、ジョナサン（紅玉）を種子親、ワグナーを花粉親として交配して生まれました。その実生の中から選抜され、1942年に発表されました。

派生品種

アイダレッドは、多くの品種の親となっています。

アイダレッドを種子親とする品種: Pia（花粉親はHelios）、Piflora（花粉親はゴールデンデリシャス）、Pingo（花粉親はBancroft）などがあります。
アイダレッドを花粉親とする品種: Arlet（種子親はゴールデンデリシャス）、Fiesta（種子親はコックスオレンジピピン）、Pikosa（種子親はPirella）、Pilana（種子親はPirella）、Pivita（種子親はPirella）などがあります。
その他: アイダレッド（種子親）× Maigold（花粉親）を種子親とし、Elstarを花粉親とした交配からスイスで育成されたJunamiという品種もあります。

アイダレッドは、その美味しさと使いやすさから、世界中で愛されているリンゴです。

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