アイフェリアン

アイフェリアン（Eifelian）

アイフェリアンは国際層序委員会によって認定された地質学用語で、中期デボン紀の前期に位置づけられています。この時代は約3億9330万年前から3億8770万年前の期間に当たり、エムシアン期の後を受けており、後期はジベティアン期に続きます。「アイフェル期」とも呼ばれるこの時代は、ドイツ西部のWetteldorf Richtschnittにあるアイフェル・ヒルに由来して名付けられました。アイフェリアンの国際標準模式層断面（GSSP）は、まさにこの地点で確認することができます。

生物相の特徴

アイフェリアンの腕足動物相は、旧世界区とアパラチア区の生物群で著しく異なる特徴を持っていることが知られています。特に腕足動物の一種であるZdmirのタイプ種Zdmir solusがアイフェリアンから発見されており、ドイツ、フランス、ベルギー、オーストリア、旧チェコスロバキア、旧ソビエト連邦に関する資料では、この属に属する15種がアイフェリアン階から記録されています。

さらに、最近の研究では中国の黒竜江省や貴州省、広西省、四川省、また日本の岩手県などからも多くの化石が報告されています。特に岩手県の大船渡市の日頃市町にある大森沢支流の石灰質頁岩層では、Zdmir属の腕足動物や三葉虫の化石がアイフェリアンに関連付けられています。

同じく日頃市の中里層についての調査では、Protoholoeciscus属やHelentfore属の放散虫が中期から後期アイフェリアン期に存在したことが確認されています。このように多様な生物が生息し、化石として残されたことがアイフェリアンの重要性を物語っています。

古生物地理の観点

興味深いことに、岩手県の腕足動物相が内モンゴル自治区西部と近い系統を持つことが示されています。これにより、アイフェリアン期には広大な大陸棚が存在していた可能性が示唆されています。また、研究の結果、南部北上帯がゴンドワナ大陸起源のマイクロコンチネントであったという仮説や、中国起源であるという説は否定されています。これは、当時の生態系や生物分布の理解を深める上で重要な知見といえるでしょう。

まとめ

アイフェリアンは中期デボン紀の重要な時代であり、さまざまな生物の化石が今に残されています。さまざまな地域で異なる生物相が確認され、化石の発見によってこの時代の生態系が少しずつ明らかになっています。これにより、アイフェリアンは地質学的研究において非常に興味深い時代として位置づけられているのです。

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