アイリス (映画)

映画『アイリス』解説

『アイリス』（原題: Iris）は、2001年に公開されたイギリスの伝記映画です。リチャード・エアーが監督を務め、作家アイリス・マードックの夫であるジョン・ベイリーが書いた回想録『Elegy for Iris』を原作としています。この映画は、アイリスの輝かしい人生と、晩年のアルツハイマー病との闘いを、夫ジョンの視点から描いた感動的な作品です。

受賞

ジョン・ベイリーを演じたジム・ブロードベントは、その演技が高く評価され、第74回アカデミー賞助演男優賞や第59回ゴールデングローブ賞助演男優賞など、数々の賞を受賞しました。また、アイリス・マードックを演じたジュディ・デンチも、第55回英国アカデミー賞主演女優賞を受賞しています。

あらすじ

物語は、オックスフォード大学で講師をしていた内気なジョンが、奔放で魅力的なアイリスに一目で恋に落ちるところから始まります。互いに惹かれ合った二人は結婚し、アイリスは作家として成功を収めます。しかし、40年後、アイリスはアルツハイマー病を発症し、徐々に記憶を失っていきます。ジョンは、かつてアイリスに振り回されながらも、献身的に彼女を介護します。しかし、ジョンの介護にも限界が訪れ、アイリスは施設に入ることになります。最愛の妻を見守りながら、ジョンは彼女の安らかな最期を迎えます。

キャスト

アイリス・マードック：
現在：ジュディ・デンチ
過去：ケイト・ウィンスレット
ジョン・ベイリー：
現在：ジム・ブロードベント
過去：ヒュー・ボネヴィル
ジャネット・ストーン：
現在：ペネロープ・ウィルトン
過去：ジュリエット・オーブリー
モーリス：
現在：ティモシー・ウェスト
過去：サム・ウェスト
ガジョン医師：クリス・マーシャル
サマヴィル校の校長：エレノア・ブロン

トリビア

日本での劇場公開前、大分県の劇場「シネマ5」で配布された紫色の地方限定映画チラシは、現在高値で取引されています。
モーリスの現在と過去を演じたティモシー・ウェストとサム・ウェストは、実の親子です。

映画が描くもの

映画『アイリス』は、愛、記憶、そして喪失といった普遍的なテーマを扱っています。アルツハイマー病に侵されていくアイリスの姿を通して、人間の尊厳や、愛する人を支えることの意義を深く考えさせられます。また、過去と現在を行き来する演出によって、アイリスの人生の輝きと、病によって失われていく記憶の儚さが際立っています。ジュディ・デンチとケイト・ウィンスレットという二人の名優が、アイリスの異なる年代を演じることで、一人の女性の人生を立体的に描き出しています。

外部リンク

アイリス - allcinema
アイリス - KINENOTE
Iris - オールムービー（英語）
Iris - IMDb（英語）
Iris - TCM Movie Database（英語）
Iris - Rotten Tomatoes（英語）

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