アイヴァー伯爵

アイヴァー伯爵とは

アイヴァー伯爵（Earl of Iveagh）は、1919年にビール醸造会社ギネスの所有者兼経営者であったエドワード・ギネスに授与された、連合王国貴族の伯爵位です。この爵位は、ギネス家の歴史と深く結びついており、その後の当主たちもギネス社の経営に携わってきました。

初代アイヴァー伯爵エドワード・ギネス

エドワード・ギネス（1847-1927）は、初代準男爵サー・ベンジャミン・ギネスの三男として生まれました。1868年より兄アーサー・ギネス（後のアーディーローン男爵）と共に父の跡を継ぎ、ギネスの共同所有者となります。1876年には兄から権利を買い取り、単独の所有者および経営者となりました。

その功績により、1885年に準男爵、1891年にアイヴァー男爵、1905年にアイヴァー子爵、そして1919年にはアイヴァー伯爵とエルブデン子爵に叙せられました。これらの爵位は全て連合王国貴族爵位です。

2代アイヴァー伯爵ルパート・ギネス

初代伯爵の死後、長男のルパート・ギネス（1874-1967）が2代伯爵を継承し、ギネス会長の職も引き継ぎました。また、初代伯爵の三男ウォルター・ギネス（1880-1944）は政治家となり、1932年にモイン男爵に叙されています。

3代アイヴァー伯爵ベンジャミン・ギネス

2代伯爵の長男アーサー・ギネス（1912-1945）は、第二次世界大戦で戦死したため、1967年に2代伯爵が亡くなると、アーサーの遺児であるベンジャミン・ギネス（1937-1992）が3代伯爵位を継承しました。ベンジャミンは1962年からギネス会長にも就任し、1986年まで務めました。

4代アイヴァー伯爵エドワード・ギネス

3代伯爵の死後、その長男エドワード・ギネス（1969-）が4代伯爵位を継承し、現在に至ります。

爵位と準男爵位

現在の当主であるエドワード・ギネスは、以下の爵位と準男爵位を保有しています。

第4代アイヴァー伯爵
第4代アイヴァー子爵
第4代エルブデン子爵
第4代アイヴァー男爵
第4代準男爵

エルブデン子爵は、法定推定相続人の儀礼称号となっています。

歴代当主

初代準男爵：サー・エドワード・セシル・ギネス（1847–1927）
初代アイヴァー男爵：エドワード・セシル・ギネス（1847–1927）
初代アイヴァー子爵：エドワード・セシル・ギネス（1847–1927）
初代アイヴァー伯爵：エドワード・セシル・ギネス（1847–1927）
2代アイヴァー伯爵：ルパート・エドワード・セシル・リー・ギネス（1874–1967）
3代アイヴァー伯爵：(アーサー・フランシス)ベンジャミン・ギネス（1937–1992）
4代アイヴァー伯爵：(アーサー)エドワード・ロリー・ギネス（1969-）

現在の法定推定相続人は、現当主の息子であるエルブデン子爵アーサー・ベンジャミン・ジェフリー・ギネス（2003-）です。

家系図

（家系図は省略）

本邸とモットー

アイヴァー伯爵家の本邸は、サフォーク・エルブデンにあるエルブデン・ホールです。モットーは「私の希望は神の中にあること（Spes Mea In Deo）」です。

関連項目

ギネス家
(アシュフォードのギネス)準男爵
モイン男爵

参考文献

マンスフィールド, スティーヴン『ギネスの哲学 地域を愛し、世界から愛される企業の250年』英治出版、2012年。ISBN 978-4862761149。

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