アイ・ウォナ・ノウ

アイ・ウォナ・ノウ (I Want to Know What Love Is)

フォリナーによる「アイ・ウォナ・ノウ」は、1984年にリリースされ、瞬く間に世界の音楽シーンに名を馳せたパワーバラードです。この楽曲はイギリスとアメリカを含む複数の国でトップチャートに輝き、フォリナーのシグネチャーとも言える存在となりました。

この楽曲は、バンドのギタリストであるミック・ジョーンズが主に作曲し、グループのリードシンガーであるルー・グラムも貢献したとされています。しかし、曲作りにおける印税の分配を巡って両者の間に意見の相違が生じ、グラムは十分なクレジットを受けることができませんでした。この経緯が楽曲の背後にある複雑な人間関係を物語っています。1984年のアルバム『プロヴォカトゥール』からの先行シングルとして発表され、プロデュースはジョーンズとアレックス・サドキンが手がけました。

「アイ・ウォナ・ノウ」は、強力なコーラスが特徴の楽曲で、ニュージャージー・ミサ聖歌隊が参加し、また「ドリームガールズ」の主演女優であるジェニファー・ホリデイらもその美しいハーモニーを彩りました。このような多彩なアーティストの参加が、楽曲の魅力を一層引き立てています。

1985年に、イギリスのシングルチャートで1位を獲得した際には、バンドエイドによる「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」を押しのけ、3週間の間トップの座に君臨しました。同時期にアメリカのBillboard Hot 100でも、マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」を打ち破り、1位を獲得するという快挙を成し遂げました。この楽曲は、フォリナーにとって初めて、かつ唯一のイギリスとアメリカでのポップチャート1位の座を獲得した作品となり、後にアダルト・コンテンポラリーラジオのヒットチャートでも成功を収めました。

また、評判は批評家からも高く、オールミュージックのブレット・アダムズは、ルー・グラムの感情的なボーカルと聖歌隊のコーラスによって、この楽曲が聴く者を魅了する理由を称賛しています。2004年には、ローリング・ストーンのオールタイム・グレイテスト・ソング500にもランクインし、また2006年にはVH1による「80年代のトップ100曲」にも名を連ねました。

シングルの12インチ版は通常バージョンよりも長く作られており、イントロに多くの間を取っています。B面には「ストリート・サンダー」という楽曲が収録されており、こちらは1984年のロサンゼルスオリンピックの公式音楽の一部として登場しました。

「アイ・ウォナ・ノウ」は、フォリナーの成功を象徴する楽曲であり、多くの他アーティストによってもカバーされています。特にマライア・キャリーによるバージョンは、彼女のアルバム『メモワール』からリリースされ、ブラジルのラジオチャートで27週連続首位に輝くという記録を樹立しました。

この楽曲は、音楽界におけるフォリナーの功績を色濃く残し、現在も多くのリスナーに愛され続けています。

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