アウグスト・ゲオルク (バーデン＝バーデン辺境伯)

アウグスト・ゲオルク・ジンペルト：バーデン＝バーデン辺境伯家最後の当主

アウグスト・ゲオルク・ジンペルト（August Georg Simpert von Baden-Baden, 1706年1月14日 - 1771年10月21日）は、18世紀のドイツを生きた人物であり、バーデン＝バーデン辺境伯（在位：1761年 - 1771年）として知られています。

生涯

アウグスト・ゲオルク・ジンペルトは、ハプスブルク帝国軍の名将として名を馳せ、「トルコ人ルイ（Türkenlouis）」の異名を持つルートヴィヒ・ヴィルヘルムと、ザクセン＝ラウエンブルク公ユリウス・フランツの娘であるフランツィスカ・ジビッラ・アウグスタの間に生まれた末息子でした。彼は、バーデン＝バーデン辺境伯家最後の当主となります。

兄のルートヴィヒ・ゲオルクが辺境伯家を継いだため、母フランツィスカの意向により、アウグスト・ゲオルクは聖職者としての教育を受けました。1726年にはケルンの司教座聖堂参事会員、1728年にはアウクスブルクの司教座聖堂参事会員主席に任命されています。しかし、司教や大司教といった高位聖職者の地位を得る見込みがないと判断した彼は、1735年に聖職者の道を捨て、軍人へと転身しました。

同年12月7日には、アーレンベルク公爵家の当主レオポルド・フィリップの娘マリー・ヴィクトワールと結婚しましたが、残念ながら子供を授かることはありませんでした。1743年から1771年まで、シュヴァーベン・クライス（Schwäbischer Reichskreis）所属の第3歩兵連隊（3. Kreis-Infanterie-Regiment）の連隊長を務めました。

1761年、兄ルートヴィヒ・ゲオルクに男子がいなかったため、アウグスト・ゲオルクは家督を継承し、バーデン＝バーデン辺境伯となりました。しかし、彼自身にも子供がいなかったため、バーデン＝バーデン辺境伯家の断絶は確定的となりました。1771年にアウグスト・ゲオルクが亡くなると、遺領は遠縁にあたるバーデン＝ドゥルラハ辺境伯カール・フリードリヒが相続しました。これにより、バーデン辺境伯領は1515年のクリストフ1世の死に伴う分割相続以来、初めて統一されることとなったのです。

アウグスト・ゲオルク・ジンペルトの生涯は、聖職者から軍人へ、そして辺境伯へという、時代の変化に翻弄されながらも自らの道を切り開いた人物として、また、バーデン辺境伯領の統一という歴史的転換点に関わった人物として、記憶されるべきでしょう。

参考文献

Friedrich von Weech (1875). "August Georg, Markgraf von Baden-Baden". Allgemeine Deutsche Biographie (ドイツ語). Vol. 1. Leipzig: Duncker & Humblot. pp. 659–660.

外部リンク

Schloesser-Magazin.de: Kurzbiographie

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