アウディ・Q3

アウディQ3：洗練されたデザインと先進技術を融合したコンパクトSUV

アウディQ3は、ドイツの自動車メーカーであるアウディが製造・販売するCセグメントに属するSUVです。2011年の初代モデル発売以来、そのスポーティなデザインと先進技術を融合した高い走行性能、そして実用性の高さから高い人気を博しています。

初代モデル (8U, 2011年 - 2020年)

2011年、上海モーターショーで世界初公開された初代Q3は、当時アウディ最小のSUVとして登場しました。A3をベースとしたプラットフォームを採用しながらも、SUVとしてのキャラクターを際立たせるため、シャーシは大幅に強化されています。フォルクスワーゲン・ティグアンとは姉妹車関係にあたり、Q7、Q5に続くアウディのSUVラインナップを拡充する重要なモデルとなりました。

エクステリアデザインは、空力性能を重視した流麗なルーフラインが特徴です。その結果、空気抵抗係数はCd値0.32というスポーツカー並みの数値を実現しています。軽量化も徹底的に追求され、アルミニウムを多用したボディは1,610kgという軽量な車重に抑えられました。ヘッドライトはバイキセノン、ポジションランプとリアコンビネーションランプにはLEDを採用するなど、先進的な技術が随所に盛り込まれています。ラゲッジルーム容量は460ℓから最大1,365ℓまで拡大可能で、使い勝手の良さも魅力です。

インテリアは、エクステリアデザインと調和したラップアラウンドデザインが採用され、上質な空間を作り出しています。本革巻き4本スポークステアリング、10スピーカーサウンドシステム、7インチのポップアップ式センターディスプレイに加え、MMI3G＋ナビゲーションシステムやBOSEサラウンドサウンドシステムなどもオプション設定されました。パワートレインは、2種類のガソリンエンジン（2.0L直列4気筒直噴ガソリンターボ、出力170PSと211PS）と1種類のディーゼルエンジン（2.0L直列4気筒直噴ディーゼルターボ、出力140PS）の計3種類が用意され、トランスミッションは6速MTとSトロニック（6速または7速）が選択可能でした。生産はスペインのマルトレル工場で行われ、生産開始に際しては工場の改修と雇用創出にも多大な投資が行われました。

日本市場では2012年に導入され、2.0 TFSI quattro 170PSと211PSの2グレードが設定されました。四輪駆動と7速Sトロニックの組み合わせのみで、211PSモデルにはMMI3G＋ナビゲーションシステムやアウディドライブセレクトが標準装備されました。その後、1.4 TFSI FFモデルが追加されるなど、グレードのバリエーションは多様化していきました。様々な特別仕様車も発売され、顧客の多様なニーズに応える展開がなされました。

2代目モデル (F3, 2018年 - )

2018年にはフルモデルチェンジを行い、2代目Q3が登場しました。初代モデルとは異なり、ハンガリー・ジェール工場で生産されています。エクステリアデザインは、アウディのフラッグシップSUVであるQ8のデザインを踏襲し、オクタゴン形状のシングルフレームグリルや大型サイドエアインテークが特徴です。ボディサイズは初代モデルより拡大され、居住性と積載性の向上が図られています。荷室容量は530ℓから最大1,525ℓ（スポーツバックは1,400ℓ）と、使い勝手の良さがさらに向上しました。

インテリアは、エクステリアと同様に洗練されたデザインが採用され、人間工学に基づいた配置のディスプレイとスイッチ類が快適なドライビングをサポートします。8.8インチまたは10.1インチのMMIタッチディスプレイ、12.3インチのアウディバーチャルコックピットプラス、マルチカラーアンビエントライティングなどが用意され、先進性と快適性を両立しています。パワートレインは、3種類のガソリンエンジンと1種類のディーゼルエンジン、計4種類が用意され、出力は150hpから230hpの範囲で展開されました。48Vマイルドハイブリッドシステム搭載モデルも追加され、環境性能の向上にも貢献しています。駆動方式はFFと4WD（quattro）が選択可能で、トランスミッションは6速MTまたは7速Sトロニックが組み合わせられます。

先進運転支援システム（ADAS）も充実しており、アダプティブクルーズアシスト（ACC）、アウディプレセンスフロント、アウディサイドアシスト、アウディアクティブレーンアシスト、サラウンドビューカメラ、パークアシスト、クロストラフィックアシストなど、安全運転をサポートする様々な機能が搭載されています。オプションでスポーツサスペンションやヒルディセントコントロールも選択可能です。

2019年には、クーペスタイルのボディを持つ「スポーツバック」が追加されました。日本市場では2020年にSUVとスポーツバックが同時に導入され、様々なグレードが設定されています。その後も、48Vマイルドハイブリッドシステムの搭載や、パワートレインの改良、そして魅力的な特別仕様車の追加など、継続的な進化を遂げています。アウディQ3は、洗練されたデザインと先進技術を融合した、まさにプレミアムコンパクトSUVと言えるでしょう。

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