アウトストラーダ A15

アウトストラーダ A15：チーザ峠を越える高速道路

アウトストラーダ A15、通称アウトカミオナーレ・デッラ・チーザは、イタリア北部を横断する重要な高速道路です。この道路は、パルマ近郊でアウトストラーダ A1から分岐し、ターロ川流域とルニジャーナの渓谷を抜け、チーザ峠でアペニン山脈を越え、最終的にラ・スペツィアでA12に合流します。これにより、パダーナ平原とリグーリア海岸東部、そしてヴェルシリアといった地域が直接結ばれています。

歴史

A15の構想は、1950年代にパダーナ平原とティレニア海沿岸を繋ぐ代替経路として始まりました。建設には多くの困難が伴いました。峠のトンネル入口は海抜745mに達し、多数の高架橋とトンネルが必要とされました。道路構造は上下線分離ですが、カーブが多く運転は大変で、車両への負荷も大きいです。そのため、長年大型車の試験に使用される道路の一つでした。1975年5月24日に開通しました。2017年11月1日まではアウトカミオナーレ・デッラ・チーザ株式会社が管理していましたが、現在はリグーレ・トスカーナ高速道路会社に組み込まれ、同社が運営しています。A15の欧州自動車道番号はE33です。

経路

この高速道路はパルマでA1から分岐し、パルマ西出入口を通過後、フォルノーヴォ・ディ・ターロ、ボルゴ・ヴァル・ディ・ターロ、ベルチェートの各出入口を経てターロ川の谷に沿って上昇します。エミリア＝ロマーニャ州内を進行し、峠のトンネルで州境を越えてトスカーナ州に入ります。トスカーナ州内には、ポントレーモリとアウッラの2つの出入口があります。リグーリア州に入ると、間もなくサント・ステーファノ・ディ・マグラの平野部でA12と接続し、数キロ先でラ・スペツィアに到着します。この道路の通行料は1kmあたり11.3ユーロセント（2013年時点）と、イタリアで3番目に高額です。これは、アペニン山脈の深い峡谷や起伏の多い地形を横断する構造が複雑で、高架橋とトンネルが多いためです。メンテナンスも頻繁かつ高コストになる要因です。

A15には、5つのサービスエリアと6つのパーキングエリアがあります。

サント・ステーファノ・ディ・マグラ方面分岐路

ラ・スペツィア本線料金所の後、サント・ステーファノ・ディ・マグラ方面へ分岐する道路です。A15がA12と交差する地点からラ・スペツィア側は、当初からSALTが管理していました。A15の101.9km地点で、道路は左右に分岐します。右に進むとA15としてラ・スペツィアまで、左に進むと分岐路としてサント・ステーファノ・ディ・マグラ市街地方面に1.2km続きます。アウトストラーダとみなされる区間は、サント・ステーファノ・ディ・マグラから0.2km手前の工業地区出口までで、その延長は1.0kmです。

ラ・スペツィア-レーリチ接続路

片側一車線の双方向通行道路でありながら、アウトストラーダの開始・終了標識があり、緑色の標識が使われています。内部的にはR19とも分類されており、距離は3.7kmです。この接続路もSALTによって管理されています。

計画

現在、この道路の北東への延伸計画が検討されています。フォンテヴィーヴォ、マルティニャーナ・ディ・ポーを経由し、レッジョーロ-ローロでA22モデナ-ブレンネロに接続し、さらにアウトストラーダ・レジョナーレ・チスパダーナを通じてフェッラーラ南でA13ボローニャ-パドヴァに接続するというものです。この新路線の最初の区間であるパルマのA1ジャンクションからトレカザーリまでの9.5kmは、2016年9月から工事中で、2021年の開通が予定されています。

工事

A15は、路線の直線化や地すべり対策のために、何度か修正が行われています。2003年から2009年の間には、ロッカプレバルザ区間に新しい高架橋とトンネルが建設されました。既存のダブルデッキ高架橋の上側が撤去され、より直線的な高架橋に作り替えられました。また、その先の一対の高架橋は取り壊され、開通当時技術的な問題で使用されなかったトンネルに置き換えられました。

モニュメント

9km地点近くには、風変わりな「ようこそ」のモニュメントがあります。鋼材を組み合わせて“C”の形に作られたルイージ・マニャーニの作品で、中央分離帯に設置されています。このモニュメントは、A1から来る車両に向けて作られています。

脚注

注釈

出典

関連項目

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