アウトストラーダ A18

アウトストラーダ A18：シチリア東部の動脈

アウトストラーダA18は、イタリア・シチリア島の東部を走る重要な高速道路です。この道路は、メッシーナからカターニア間と、シラクーザからイスピカ間の二つの区間に分かれており、シチリア高速道路コンソーシアムによって管理されています。また、欧州自動車道路E45の一部としても機能しています。

A18の構成

A18は、以下の区間によって構成されています。

メッシーナ-カターニア区間: メッシーナからカターニアまでの76.8km。
シラクーザ-イスピカ区間: シラクーザからイスピカまでの47.5km。

これら二つの区間は、カターニャ環状線、アウトストラーダ・カターニャ-シラクーザ、およびSS114を介して接続されています。

A18 メッシーナ-カターニア区間

歴史

この区間は、1965年から1971年にかけて建設されました。当初はアウトストラーダ・デッレ・ザーガレと呼ばれていました。メッシーナ部分は山岳地帯を通過するため、地形的な制約があり、長年大きな変化はありませんでした。1990年代にフィウメフレッド、2008年にはパエージ・エトネイの出入口が追加されました。

現在の状況

この区間は、全長77kmで、中央分離帯を含めた幅員は24m、片側2車線と緊急車線（トンネル部を除く）で構成されています。閉鎖型の料金システムが採用されており、緊急退避所はありません。交通量の増加が懸念されており、2003年には2800万台の交通量が記録されました。この道路は、メッシーナ・トレメスティエーリ出入口付近でアウトストラーダA20と接続し、カターニア環状線との接続部で終点となります。

A18 dir カターニア分岐路

A18のパエージ・エトネイ出入口からカターニア環状線までの3.7kmの区間が、A18 dir カターニア分岐路として存在します。この区間はANASによって管理され、カターニア中心部へのアクセスを提供します。

A18 シラクーザ-ジェーラ区間

歴史

この区間の最初の計画は1960年代後半に作成されました。シチリア南東部の産業開発を促進するため、シラクーザとジェーラ間を高速道路で接続し、両地域の石油化学コンビナート間の高速アクセスを確立することを目的としていました。1983年にシラクーザとカッシビーレ間の9.5kmが開通しました。その後、環境保護の制約により計画が変更され、2002年末にカッシビーレ-ロゾリーニ間の約30kmの工事が開始されました。2008年にはカッシビーレ-ノート間、そしてノート-ロゾリーニ間が開通しました。

現在の状況

現在、シラクーザからイスピカまでの47kmが運用されています。シラクーザ近くのSS114との接続部から始まり、イスピカ-ポッツァッロ出入口で終了します。この区間にはアヴォーラ、ノート、ロゾリーニの料金所が設置されています。

工事と計画

当初の計画では、シラクーザ-ロゾリーニ間は1974年に承認された経路をたどりましたが、ロゾリーニ-ラグーザ間とラグーザ-ジェーラ間の計画は、考古学的および自然保護の観点から大幅に変更されました。新たな計画では、全長90km、パーキングエリア1箇所、出入口8箇所、サービスエリア2箇所が予定されています。ロゾリーニからイスピカまでの19.5kmは2021年8月に開通し、残りの区間は2022年9月に開通予定です。

モーディカからジェーラまでの区間はまだ計画段階です。モーディカからシクリ、マリーナ・ディ・ラグーザ、サンタ・クローチェ・カメリーナ、コミーゾを経由するルートが計画されており、ヴィットーリア、ラグーザ、モーディカといったラグーザ県の中心部には直接接続しません。代わりに、ラウトポルト・ディ・ヴィットーリア、コミーゾ空港、ポッツァッロ港との商業的接続を優先しています。最終区間（ヴィットーリア-ジェーラ）では、古い国道115号の南側に建設され、計画中のジェーラ環状線に合流する予定です。

今後の展望

アウトストラーダA18は、シチリア島の経済発展と観光振興に重要な役割を果たしています。残りの区間の建設が完了することで、シチリア島南東部の交通網はさらに強化され、地域間の連携が促進されることが期待されます。

脚注

注釈

出典

アウトストラーダ A18