アウトストラーダ A35

アウトストラーダ A35（ブレベミ）

アウトストラーダ A35、通称ブレベミは、イタリアのロンバルディア州を東西に横断する高速道路です。ブレシア県、ベルガモ県、ミラノ県の3県を結び、それぞれの頭文字を取って「BreBeMi」とも呼ばれます。A4の南側に位置し、ブレシアとミラノを直接結ぶことで、既存のA4の交通集中緩和を目指して建設されました。

歴史

ミラノとブレシアを結ぶA4は、長年交通量が非常に多く、特に大型車の通行量が多く、代替ルートの必要性が高まっていました。A4のミラノとベルガモの間は1日平均10万台、ピーク時には17万台もの交通量があり、1日5万台の大型車が通行していました。そのため、A4のミラノとベルガモ間は2007年に片側4車線に拡張されましたが、ベルガモを迂回することなく、ミラノとブレシアを直接結ぶ高速道路の必要性は依然として高いままでした。

この二都市を直接結ぶ高速道路の構想は1990年代初めに始まり、1996年に最初の事前実現可能性調査が行われました。その後、追加調査や実現可能性調査を経て、2001年に事前プロジェクトが発表されました。2001年から2009年まで承認手続きが行われ、2009年6月26日に最終プロジェクトが承認されました。建設工事は2009年7月22日に開始され、2014年春に完了しました。A35は、ミラノ東外環状線(TEEM)(A58)の一部区間と同時に、2014年7月23日に開通しました。開通式には、当時の首相マッテオ・レンツィ氏をはじめとする多くの政府関係者が出席しました。2015年5月16日にA58の全線が開通すると、A35の交通量は数週間で30%増加しました。2017年11月13日には、A4とのジャンクションとなる最後の区間が開通し、全線が開通しました。

費用

A35の建設費は当初8億ユーロと見積もられていましたが、実際には24.39億ユーロに達しました。これは、欧州投資銀行やカッサ・デポジティ・エ・プレスティティなどの金融機関からの融資により賄われました。しかし、通行料金は1kmあたり約15ユーロセントと高額で、既存のA4の約2倍となっており、交通量は当初見込まれていた1日6万台を大きく下回る2万台程度にとどまっていました。このため、イタリア政府とロンバルディア州は、2014年12月の金融法で合計3億6000万ユーロを投入しました。この措置は、本来通行料金で賄われるべき高速道路に公的資金が投入されることへの批判を招きました。ロンバルディア州の財政支出についても、教育や医療ではなく赤字路線に資金が投入されることに対して議論が起こりました。

経路の説明

A35は、ブレシア西ICの少しベルガモ寄りの地点でA4と接続し、そこから南下してミラノ東外環状線（TEEM/A58）に接続します。A4はベルガモを迂回しますが、A35はベルガモ県の南側を通ります。A35の始点は、カステニャート本線料金所ですが、2017年11月13日以前は、カッツァーゴ・サン・マルティーノとトラヴァリアートの境界の県道19号線上にありました。この7.2kmの接続路は当初、郊外道路でしたが、A4との接続に伴い高速道路に再開発されました。

カステニャート本線料金所を過ぎると、県道19号線とのジャンクションがあり、そこから先はキアーリ東本線料金所まで無料区間です。キアーリ東本線料金所の先が有料区間となります。有料区間は全長42kmで、出入口6箇所、高架橋3箇所、トンネル1箇所があります。トンネルはトレヴィーリオICとカラヴァッジョICの間で、旧国道11号線とミラノ・ブレシア間の高速鉄道の下を通過します。A35はメルツォとポッツオーロ・マルテザーナの間でA58に接続し、ミラノ都心部へは、県道14号リヴォルターナ線と県道103号カッサネーゼ線を利用します。

現在の状況

開通から約5年後の2019年2月、A35の費用対効果評価が行われ、結果は「部分的に有益」とされました。これは、交通量が緩やかに増加していることや、沿線にオフィスを開設する企業が増加したこと、また、一般道の交通量が減少したことなどが理由に挙げられています。

構造の特長

A35の総延長は62.1kmで、盛り土区間が37.9km、掘割区間が19.2km、高架橋区間が3.7km、トンネル区間が1.3kmです。全線にわたって照明設備が設置され、自動料金所、サービスエリア、パーキングエリア、メンテナンスセンター、オペレーションセンターなどが設けられています。A4とのジャンクションから県道19号線までの区間は片側2車線、県道19号線からTEEMまでの区間は片側3車線、接続するTEEMと県道14号リヴォルターナ線の区間は片側2車線で構成されています。

アウトストラーダ A35