アエロポスタル

アエロポスタル（Compagnie générale aéropostale）

アエロポスタルは、フランスの航空会社のパイオニア的存在で、1918年に設立され、1932年には解散しました。この会社の活動は、フランスと南アメリカやアフリカのフランス植民地との間での航空郵便サービスに特化していました。アエロポスタルは後のエールフランスの母体でもあり、航空輸送の歴史に重要な足跡を残しました。

設立と初期の活動

アエロポスタルは、ピエール＝ジョルジュ・ラテコエールによって設立され、初期には「ソシエテ・デ・リーニュ・ラテコエール（Société des lignes Latécoère）」という名称で活動していました。この会社は、トゥールーズを拠点に、航空郵便のサービスを行うことを目指していました。その目的地は、フランス本土からアフリカや南アメリカへと広がっていきました。

初期の頃、ラテコエールが扱っていたのは、専門性を持つ航空郵便サービスであり、郵便物の運送を主な商業活動として行っていました。1918年12月には、トゥールーズとバルセロナ間の路線で営業を開始し、この路線は着実に拡大を続けました。1921年から1927年までは「CGEA」としても知られ、多様な航空サービスを提供しました。

事業の拡大

1927年には、南アメリカへの長距離フライトに乗り出し、その際にフランスのビジネスマン、マルセル・ブイユー＝ラフォンに西部の大半を売却しました。その結果、ブイユー＝ラフォンは「アエロポスタル」という名で新たな会社を設立しました。

アエロポスタルのサービスは急速に拡大し、1925年までにはダカールに到達しました。さらに、1927年11月には初めてリオ・デ・ジャネイロとナタール間の定期便が運航され、南米大陸全体にダイレクトなアクセスを可能にしました。1929年には、チリのサンティアゴへ向かう定期便も開設され、他の目的地へも路線が延長されました。

特筆すべきは、1930年に実現した南大西洋の横断飛行です。この時の飛行は、ジャン・メルモーズという名のパイロットによって行われ、ダカールからナタールまでの距離を僅か19時間で飛行しました。この飛行は、アエロポスタルの技術力とパイロットの技量の象徴として記憶されています。

解散とエールフランスへ

しかし、アエロポスタルは1932年に解散を決定しました。この背景には、フランス政府との郵便料金に関するトラブルがありました。その結果、アエロポスタルは他のいくつかの航空会社と合併し、新たにエールフランスが誕生しました。

飛行士たちの冒険

アエロポスタルの活動を支えたのは、多くの勇敢な飛行士たちです。この時代の飛行は危険に満ちた冒険であり、その実情を描いた作家アントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリもアエロポスタルの飛行士でした。彼の著作『夜間飛行』では、当時の航空郵便の様子が巧みに描写されています。

この会社には、伝説の飛行士たちが多数在籍しており、彼らの勇敢な姿勢がアエロポスタルの名を高めました。代表的な飛行士には、ジャン・メルモーズやアントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリ、アンリ・ギヨメなどがいます。

使用された航空機

アエロポスタルでは、様々な航空機が利用されました。中でも、ブレゲー 14やファルマン F.70などが郵便輸送に当たりました。その他にも、ラテコエール 28やポテーズ 25といった機種も使用され、当時の航空輸送を支えました。

映画とその影響

1995年、アエロポスタルの歴史に関する映画『愛と勇気の翼』が製作され、当時の航空郵便の挑戦と飛行士たちの勇気を称える作品として知られています。この映画は、アエロポスタルのパイロットであったアンリ・ギヨメに焦点を当てています。

当時のアエロポスタルの活躍は、フランスの航空輸送の発展に大きな影響を与え、その歴史は今もなお語り継がれています。

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