アオフウチョウ

アオフウチョウ（青風鳥）

アオフウチョウ（学名: Paradisaea rudolphi）は、スズメ目フウチョウ科に分類される美しい鳥です。その鮮やかな色彩と独特な求愛行動で知られています。

分布

アオフウチョウは、パプアニューギニアのニューギニア島南東部にのみ生息する固有種です。限られた地域にのみ生息しており、その生息状況が懸念されています。

形態

オスの全長は約67cm、メスは約30cmと、オスの方が一回り以上大きいです。目の上下には三日月状の白い模様があり、嘴は白または青白色をしています。

オスの成鳥は、全身が黒い羽毛で覆われていますが、腹部側面には赤く縁取られた黒い羽毛と、青いレース状の飾り羽が生えています。このレース状の羽毛は、求愛行動の際に重要な役割を果たします。中央尾羽は細長く伸びており、先端がヘラのような形をしています。翼は美しい青色をしています。

一方、メスは上面が暗褐色、胸部から腹部にかけて褐色の羽毛で覆われています。翼は淡い青色をしています。オスの鮮やかな色彩とは対照的に、地味な色合いをしています。

卵の殻は淡いピンク色で、淡青紫色や褐色の斑点が入っています。

生態

標高1,100〜2,000m、主に1,400〜1,800mの森林に生息しています。森林地帯を好み、そこで生活しています。

食性は植物食傾向の強い雑食で、主に果実を食べますが、昆虫やクモなども食べます。多様な食物を摂取することで、栄養バランスを保っています。

繁殖形態は卵生です。オスは求愛の際、葉を取り除いた樹上にぶら下がり、体を前後に揺らします。その後、レース状の羽毛を広げ、赤く縁取られた黒い羽毛を震わせてメスにアピールします。この求愛行動は非常に独特で、アオフウチョウの魅力の一つとなっています。樹上や藪の中に椀状の巣を作り、1回に1個の卵を産みます。メスのみが抱卵し、抱卵期間は約18日間です。

人間との関係

生息地では、アオフウチョウの羽毛が装飾品として利用されることがあります。しかし、開発による生息地の破壊や、羽毛目的、剥製目的の乱獲などにより、生息数は減少しています。現在、アオフウチョウは絶滅危惧種に指定されており、保護の必要性が高まっています。

関連項目

フウチョウ科

参考文献

BirdLife International 2008. Paradisaea rudolphi. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.1.

外部リンク

CITES homepage
Appendices I, II and III
* The IUCN Red List of Threatened Species

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