アカアシミズナギドリ

アカアシミズナギドリの概要

アカアシミズナギドリ（学名：Ardenna carneipes）は、ミズナギドリ目に属する海鳥です。この種は、特に南太平洋およびインド洋に広く分布しており、特定の繁殖地がいくつか存在します。アカアシミズナギドリは、全体的に黒褐色の体色と特徴的な薄ピンク色の脚を持つことで知られています。

分布

アカアシミズナギドリは、ロード・ハウ島やニュージーランドの北島で繁殖しており、各地で数万組の親鳥が観察されています。さらに、西オーストラリア州のルウィン岬からルシェルシュ群島にかけても繁殖が確認されています。特にインド洋域では、サンポール島でも数百組が繁殖しています。

非繁殖期には、北半球に移動して5月には日本近海に到達します。また、一部はアリューシャン列島南部を経由してカナダのブリティッシュコロンビア州にまで達し、ハワイ諸島上空での観察記録もあります。インド洋側ではアラビア海まで北上することが知られています。日本では、繁殖は行われていませんが、太平洋側の沖合でほぼ一年を通じて目撃されます。春から夏にかけては数が増えますが、その他の季節は観察頻度が低下します。

形態

この種の全長は約45cmで、特徴的な全身黒褐色の羽毛および角尾を持つ中型のミズナギドリです。翼の下面も暗色であり、ミズナギドリの中では羽の幅がやや広めです。雌雄は外見的に区別がつきませんが、脚は特に薄いピンク色で、遠くからでも目立つ存在です。嘴は淡いピンク色で先端は黒色であり、近縁種であるシロハラアカアシミズナギドリと比較されることがあります。近年では、これらの种が同類とされる見解も増えてきています。

分類

アカアシミズナギドリは、以前はミズナギドリ属（Puffinus）に分類されていましたが、遺伝子解析の結果からハシボソミズナギドリ属（Ardenna）に再分類されました。この分類変更は、研究が進むことで明確になった新たな知見を反映しています。

生態

非繁殖期のアカアシミズナギドリは、主に外洋を飛翔しますが、日本近海で観察される場合は、ばらけた群れか単独で他のミズナギドリと混ざっていることが多いです。食性は動物食であり、主に甲殻類、軟体動物、魚類を捕食します。捕食方法には、海面に降りて水中に顔を入れることや、上空から水中に飛び込むことが含まれます。

繁殖形態は卵生で、繁殖期は毎年9月から翌4月にかけて行われます。この期間中、群れを作ってコロニーを形成し、斜面や平地に巣を掘って1卵を産みます。抱卵はカップルが交代で行い、約60日間にわたります。

注釈

関連文献としては、叶内拓哉や桐原政志の書籍があり、これらを参考にすることでアカアシミズナギドリの理解が深まります。さらに、日本の野鳥に関心がある方には、同種の記事や情報も役立つでしょう。

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