アカエビ

アカエビの概要

アカエビ（学名：Metapenaeopsis barbata）は、十脚目クルマエビ科に属するエビの一種であり、その特徴的な赤褐色の体色から名付けられています。このエビは主に西日本や東南アジアの温暖な内湾で見られ、食用として注目されています。なお、日本において「アカエビ」という名前は、他の赤い体色を持つエビにも使用されることが多く、混乱を招くことがあります。

体の特徴

アカエビの成体は一般的に体長が約12cmに達しますが、市場に流通するものは5〜10cm程度の小型個体が主流です。雌は雄よりも大きくなる傾向があり、全体的に流線型の細長い体型をしています。また、体表には短い毛が生え、光沢はほとんどありません。触った感じはザラザラとした印象です。赤褐色の体色には紫褐色の不規則な斑紋があり、特にこの色合いがアカエビの特徴として知られています。

アカエビには特有の構造があり、額角の上縁には6〜7個の鋸歯がありますが、下縁にはありません。頭胸甲の表面には触角上棘、胃上棘、肝上棘が顕著に見られ、頭胸甲後側縁には「発音器」と呼ばれる僅かな突出物が18〜25個存在します。この発音器の数により、南方のミナミアカエビやトラエビなどの同属の種と簡単に区別することができます。

生態と生息地

アカエビは相模湾以南の西日本とマレーシアに広く分布しており、特に北西太平洋の温暖な海域を好みます。主に内湾の砂泥底に生息し、日本では三河湾、伊勢湾、瀬戸内海、有明海、八代海といった地域に多く見られます。また、鰓腔の中にはエビヤドリムシのParapenaeon consolidataが寄生することがあり、その場合は頭胸甲の側面が円く膨らむことが観察されます。

漁業と利用

アカエビはトラエビやキシエビ、サルエビなどの類似種とともに、沿岸漁業で漁獲されます。高級食材というわけではありませんが、手頃な価格で入手でき、むきえび、干物、唐揚げ、煮つけ、佃煮などに幅広く利用されています。食用以外にも、マダイなどの釣り餌として用いられることもあります。

関連情報

アカエビはかっぱえびせんの主成分の一つでもあり、製品に使われている数種類のエビのうちの一つとして知られています。他のエビと同様に、アカエビは地域の食文化にも影響を与えており、日本の海の幸を彩る重要な存在となっています。

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