アキュラ・RSX

RSX（アールエスエックス）

概要

RSX（アールエスエックス）は、本田技研工業が製造し、アキュラブランドで販売されたハッチバッククーペ型の乗用車で、北米市場向けには4代目ホンダ・インテグラとして位置付けられています。このモデルは、その性能やデザインにおいて多くの支持を集めました。

初代 DC5型（2001-2006年）

2001年の北米国際オートショーでRS-Xプロトタイプが発表され、その後2001年7月より2002年モデルとして市場に登場しました。このクーペモデルは、ヒット商品であった先代インテグラの販売の約80%を占めた要因でもありました。

RSXは、ホンダが展開する「グローバル・コンパクトプラットフォーム」を用いており、先代からの剛性向上や抗力の低減が図られています。安全性能も高く、米国高速道路交通安全局の評価で前面は5スター、側面は4スターを取得しています。

デザインと技術

エクステリアデザインは、本田技術研究所の案に基づいており、アキュラ独自のペンタゴングリルが取り入れられています。ヘッドライトは先代の丸型デザインを進化させたものです。サスペンション技術も進化し、フロントにはコントロールリンクマクファーソンストラットが採用されました。

RSXには北米市場で初めて導入されたi-VTEC仕様のK20A型エンジンが搭載されており、耐久性を重視したタイミングチェーンを採用しています。これによりメンテナンスコストの低減も実現しました。

内部にはパラボラ形状のインストルメントパネルや計器類が特徴的で、ベージュの内装が後に日本市場のインテグラにも採用されました。グレードは標準的な「RSX」とよりスポーツ性能を重視した「Type-S」の二種です。

グレードの違い

「RSX」はK20A3エンジンを搭載し、最高出力は160hpです。一方「Type-S」はK20A2エンジンにより最高出力が200hpに達します。Type-Sモデルは、専用のサスペンションや大型のフロントディスクブレーキも装備し、走行性能を高めています。

両モデルは、様々な主要装備に加えて、オーディオシステムや内装の質感にもこだわりがあります。特に「Type-S」では、音響品質を重視した7スピーカーオーディオシステムが搭載されていました。

モデルの進化

2003年モデルでは、ディーラーオプションとして「ファクトリーパフォーマンス」パッケージが設定され、エアロパーツやスポーツサスペンションを追加できます。2005年モデルではフェイスリフトが行われ、さらに魅力的なデザインに進化しました。

特に「Type-S」ではエンジンの改良が行われ、最高出力が向上し、燃費性能やパフォーマンスの向上につながりました。また、標準タイヤのサイズもアップし、より安定した走行性能を実現しています。最終モデルである2006年には、SAEの評価基準に基づき出力が再設定されました。

生産終了と後継モデル

RSXは当初、年間3万台の販売目標を設定していましたが、初年度に目標を達成するなどの成功を収めました。しかし、2006年の夏には生産が終了し、以降後継モデルは登場していません。RSXの位置づけは、性能を大幅に向上させたホンダ・シビッククーペ Siに引き継がれました。

レース活動

RSXは、アメリカのSCCAスピードワールドチャレンジツーリングカークラスにおいても活躍し、アキュラ・TSXとともにマニファクチャラーズタイトルを獲得しています。他にもKensai RacingがKONIチャレンジシリーズでRSXを使用しています。

結論

RSXは、その優れたパフォーマンス、スタイリッシュなデザイン、安全性能の高さから、多くの自動車愛好家に愛されました。特にスポーツカー市場において、その名は長く記憶されることでしょう。

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