アキュラ・TSX

TSX（ティーエスエックス）について

TSXは、本田技研工業がかつて製造し、アキュラブランドとして販売していた中型乗用車です。セダンとステーションワゴンの二つのボディタイプが存在し、主に北米市場でのエントリーラグジュアリーカーとして位置づけられていました。日本や欧州のアコードをベースに開発され、2001年に販売が終了したアキュラ・インテグラの後継モデルとして2003年に登場しました。2015年モデルより、TSXはTLと統合され、TLXという名称に変わります。

初代 TSX (CL9型) - 2003-2008年

初代TSXは2003年の北米国際自動車ショーで初めて披露されました。パワートレインには、K24A型の2.4リットル直列4気筒DOHC i-VTECエンジンが採用され、標準でマグネシウムケーシングの6速マニュアルトランスミッションが用意されました。また、5速オートマチックトランスミッションもオプションとして提供され、両者の価格は同じでした。特に、VSA（ビークルスタビリティアシスト）、クルーズコントロール、シートヒーター付きの8WAYレザーシート、ムーンルーフなどが標準装備されている点が魅力でした。

モデルの改良は年ごとに行われ、2005年モデルではXMラジオやヒーテッドドアミラーの追加がありました。2006年のモデルではエンジン出力が向上し、さらなるエクステリアの改良が行われました。また、2007年ではタイヤプレッシャーモニタリングシステムが導入され、2008年モデルでは小変更と新しいボディカラーが追加されました。安全性能については、後方衝突の評価が「Poor」とされるなど改善の余地が残されていましたが、その他の衝突試験では高評価を得ています。

2代目 TSX (CU2/4型) - 2008-2014年

2008年にフルモデルチェンジされた2代目TSXは、ニューヨーク国際オートショーでデビュー。ボディサイズは前モデルよりも全高がわずかに低くなった一方、全幅やホイールベースは増加し、より強固な存在感を持つデザインが特徴です。フロントグリルは新しい「キーンエッジ」デザインを採用し、視覚的な印象を一新しました。

安全性能や剛性の向上が図られ、エンジンは引き続き2.4L直列4気筒K24Z型が用意され、204PSを発生します。サスペンションは新設計となり、アキュラ初のショーワ製デュアルモードダンパーを装備。トランスミッションには6速MTと5速ATが用意され、ATにはシーケンシャルパドルシフトが搭載されました。

新たに採用された設備には、ヘッドライトの昼間点灯機能やバック時の自動傾きドアミラーがあり、安全性が高められました。標準装備には7スピーカーオーディオやブルートゥース接続が含まれ、オプションにはアキュラナビゲーションシステムなどの先進的な機能が加わりました。

さらに、2010年にはアキュラ初のステーションワゴン「TSX スポーツワゴン」が登場し、多様なニーズに応えました。TSXはまた、モータースポーツシーンでも活躍し、リアルタイムレーシングチームがSCCAスピードワールドチャレンジにおいて数々のタイトルを獲得しています。

結論

本田技研工業が手掛けたTSXは、その洗練されたデザインと高い技術力で魅力的な選択肢となり、特に北米市場ではエントリーラグジュアリーカーの代表的存在となるほどの成功を収めました。

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