アクア (企業)

アクア株式会社について

アクア株式会社は、中国のハイアールグループに属する日本の電機メーカーです。主に業務用の洗濯機や家庭用の冷蔵庫、洗濯機を手掛けており、これらの製品を日本をはじめ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア、タイといったアジアの6ヵ国で製品の企画開発、製造、販売を行っています。

会社の歴史と背景

アクアのルーツは、かつて日本の大手電機メーカーであった三洋電機の白物家電部門に遡ります。この部門は1959年に設立されましたが、2009年にはパナソニックグループに組み込まれ、2011年にハイアールグループに売却されました。その中で2016年に洗濯機と冷蔵庫部門が統合され、現在の「アクア株式会社」へと社名が変更されました。

親会社であるハイアールは、総合家電メーカーでありながら、アクアは独自ブランド「AQUA」を用いて、三洋電機から受け継いだ技術を生かして日本国内及びASEAN各国での製品供給を行っています。特に業務用洗濯機では、三洋アクア時代からの伝統を引き継ぎ、高いシェアを誇っており、2018年には市場の約70%を占めていました。

開発と製造

アクアの開発拠点は、埼玉県熊谷市にあるハイアールアジアR&Dセンターと、京都市のハイアールR&D京都に設置されています。洗濯機の製造は、三洋電機から継続している湖南電機によって行われており、同社は2011年にハイアールの傘下となった後も日本国内での製造を維持しています。特に湖南電機の工場は、業務用洗濯機の製造において、日本国内で約40%のシェアを持つ重要な生産拠点です。

経営体制

アクアの経営には中国のハイアールから派遣された杜鏡国が、2012年から社長を務めています。この期間中、日本の文化に溶け込もうと努めた杜社長は、日本人社員との親睦を深めるために「飲み会」を自ら設定するなどの活動を行っています。経営方針を巡り、一時期は日本人の経営者が社長を引き継いだものの、旧三洋社員の辞職が相次ぎ、結果的に杜社長が再びその座につくことになりました。

会社の変遷

アクア株式会社設立の過程において、2012年には三洋電機の冷蔵庫事業と洗濯機事業のそれぞれがR&Dセンターに分割され、2014年10月にハイアールアジアインターナショナル株式会社が組織再編を行い、その後は製品の統合や移転も進められました。最終的に2016年には「アクア株式会社」へと商号変更し、AQUAブランドを中心に製品展開を目指しています。また、2017年には新しい東京本社が設立され、さらなる展開を図っています。

日本国内での位置付け

アクア株式会社は、日本国内でのハイアール商品のマーケティングや企画開発、販売を担当し、そのフットプリントを拡大しています。加えて、ハイアールジャパンセールス株式会社を通じてアフターサービスも提供しており、商品の品質と顧客満足度を高めるための取り組みを行っています。

まとめ

アクア株式会社は、三洋電機の伝統を引き継ぎながらも、新たな時代に合った家電製品を展開し続けています。今後も多様なニーズに応える製品づくりを通じて、国内外でのプレゼンスを高めていくことでしょう。

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