アクチビン

アクチビンとは

アクチビン（activin）は、月経周期の調整において重要な役割を果たすペプチドであり、卵胞刺激ホルモン（FSH）の合成と分泌を促進します。これはインヒビンとは異なる働きを持っており、性腺や下垂体、胎盤などのさまざまな組織で産生されます。

構造

アクチビンの構造は、2つのβサブユニットから成り立っています。これらのサブユニットはインヒビンのものと同一であり、アクチビンにはアクチビンA、AB、Bの3種類の異なる形態があります。アクチビンはトランスフォーミング増殖因子β（TGF-β）ファミリーに属しており、インヒビンや抗ミューラー管ホルモン（AMH）と同様に、その機能や作用において重要な役割を果たしています。

作用

アクチビンは卵胞内でFSHと結合し、FSHが誘導する酵素を介して性ホルモンの生産を助けます。具体的には、アクチビンは卵巣や精巣でのアンドロゲン合成を促進し、黄体形成ホルモン（LH）の作用を引き出すことに寄与しています。特に男性においては、アクチビンが精子形成を促す役割を果たしていることが明らかになっています。

細胞分化との関係

アクチビンは脊椎動物の胚や培養細胞において、細胞の分化を促すことが知られています。胚由来の未分化な細胞群を含む培養液にアクチビンを加え、さまざまな濃度で培養することで、アクチビンの濃度に応じた異なる細胞への分化が観察されます。このことから、アクチビンは胚発生過程において中胚葉誘導の重要な因子とみなされており、実験室での細胞分化の誘導においても広く用いられています。

アクチビンの特性や機能性が研究されることで、今後の医療や生物学における応用が期待されており、その役割や効果についての理解を深めることが重要です。

参考文献

• - 木下圭・浅島誠、『新しい発生生物学』、(2003)、講談社（ブルーバックス）

外部リンク

• - OMIM 147390

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