アクティブ・ラーニング

アクティブ・ラーニングとは

アクティブ・ラーニング（Active Learning）とは、学習者が主体的に学習に取り組むことで、知識の定着と応用力、問題解決能力などを高めることを目的とした学習方法の総称です。「主体的・対話的で深い学び」とも表現されます。

アクティブ・ラーニングの概要

アクティブ・ラーニングは、単に知識を詰め込むだけでなく、学習者が積極的に授業に参加し、自ら考え、議論し、表現することで理解を深める学習法です。これにより、一方的な講義形式では得られにくい、以下の能力の育成が期待されています。

知識の確実な習得
21世紀型スキル（コミュニケーション能力、協調性、批判的思考力など）
汎用的な能力
自ら学ぶ力

アクティブ・ラーニングが求められる背景

現代社会は、技術革新や社会環境が急速に変化しており、教育機関で学んだ知識がすぐに陳腐化してしまうという状況にあります。このような知識基盤社会、生涯学習社会においては、変化に対応できる能力を身につけることが重要です。アクティブ・ラーニングは、将来にわたって必要なスキルを身につけるための有効な学習法として注目されています。

アクティブ・ラーニングの手法

アクティブ・ラーニングは、様々な手法を組み合わせて実践されます。代表的な手法としては、以下のようなものがあります。

発見学習: 学習者が自ら課題を見つけ、解決策を模索する学習法
問題解決学習（課題解決型学習）: 現実の問題を題材に、解決策を検討する学習法
体験学習: 実践を通して知識やスキルを習得する学習法
調査学習: 特定のテーマについて、情報収集や分析を行う学習法
グループディスカッション: 複数人で意見交換を行い、理解を深める学習法
ディベート: あるテーマについて、異なる意見を主張し合う学習法
グループワーク: 共同で課題に取り組む学習法

これらの手法を取り入れた授業は、アクティブ・ラーニング型授業と呼ばれています。また、グループワークの中でも、学習者同士で自習を行うSDL（self-directed learning）という手法も用いられます。

アクティブ・ラーニングの歴史

アクティブ・ラーニングの概念は、古くはデューイの経験学習やヴィゴツキーの構成主義的学習観にその源流を見ることができます。そのため、アクティブ・ラーニングに分類可能な学習方法は、以前から実践・研究されてきました。

企業研修や地域コミュニティでは、ワークショップなどの協調学習の手法も、アクティブ・ラーニングの一環として広く行われています。企業における具体的な学習方法としては、ケースメソッドやフィールドメソッドなどがあります。

アクティブ・ラーニングの課題

アクティブ・ラーニングは重要な学習法ですが、より効果的に学習するためには、従来の講義形式の学習と並行して行うことが必要です。アクティブ・ラーニング型授業を実践する際には、学習者のレベルや目標に合わせて、適切な手法を選択することが重要です。

まとめ

アクティブ・ラーニングは、学習者が主体的に学習に取り組むことで、知識の定着だけでなく、汎用的な能力や自ら学ぶ力を養うための学習法です。現代社会においてますます重要となるこの学習法を、効果的に活用していくことが求められます。

参考資料

初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について - 文部科学省
新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて～生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ～（答申） - 文部科学省
日本アクティブ・ラーニング学会

関連項目

問題解決学習
参加型学習

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