アグネス・フォン・エスターライヒ

アグネス・フォン・エスターライヒ（Agnes von Österreich, 1151年? - 1182年1月13日）は、バーベンベルク家出身の女性で、ハンガリー王妃およびケルンテン公妃という二つの異なる立場で歴史に名を残しました。

生涯

アグネスは、オーストリア公ハインリヒ2世と、東ローマ帝国のマヌエル1世の姪であるテオドラ・コムネナの間に生まれました。彼女の生涯は、当時のヨーロッパの政治情勢と密接に結びついていました。

1166年、アグネスの父ハインリヒ2世は、東ローマ帝国のマヌエル1世とハンガリー王国のイシュトヴァーン3世の和平を仲介する役割を担っていました。その過程で、ハインリヒ2世はアグネスとイシュトヴァーン3世の結婚を提案しました。当初、イシュトヴァーン3世はハリチのヤロスラフ・オシュミスルの娘との結婚が決まっていましたが、この結婚はすぐに無効となり、彼女は父親の元へ送り返されました。その後、オーストリアとの交渉が再開され、1168年にアグネスとイシュトヴァーン3世は結婚しました。

アグネスは1168年に長男ベーラを産みましたが、彼は夭折してしまいました。1172年3月4日、夫イシュトヴァーン3世はハインリヒ2世と会った後、突然急死しました。アグネスは夫の死の直前に第二子となる男児を出産しましたが、この子も出生直後に亡くなりました。

夫の葬儀後、アグネスは父に連れられてハンガリーを去りました。1173年、彼女はシュポンハイム家のケルンテン公ヘルマン2世と再婚しました。アグネスとヘルマン2世の間には、ウルリヒ2世とベルンハルトという二人の息子が生まれました。

ヘルマン2世は1181年に亡くなり、アグネスもその1年後に亡くなりました。彼女は両親と共にウィーンに埋葬されました。

子女

アグネスは、最初の夫であるハンガリー王イシュトヴァーン3世との間に二人の子供をもうけましたが、いずれも夭折しました。

二人目の夫であるケルンテン公ヘルマン2世との間には、以下の二人の息子がいます。

ウルリヒ2世（1176年 - 1202年） - ケルンテン公（1181年 - 1202年）
ベルンハルト（1176/81年 - 1256年） - ケルンテン公（1202年 - 1256年）

アグネス・フォン・エスターライヒの生涯は、結婚を通じて当時の政治的な駆け引きに巻き込まれながらも、二人の息子を通じてケルンテン公国の歴史に影響を与えた女性の物語です。

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