アグリジェント県

アグリジェント県：シチリア島の豊かな歴史と自然

アグリジェント県は、イタリア共和国シチリア州南西部の県です。2015年以前は「アグリジェント県 (Provincia di Agrigento)」として知られていましたが、現在は「アグリジェント・コムーネ自治組合 (Libero consorzio comunale di Agrigento)」という法的地位になっています。県都はアグリジェント市です。

地理的位置と特徴

アグリジェント県は、シチリア島の南西部に位置し、南側は地中海のシチリア海峡に面しています。県都アグリジェントは、州都パレルモから南南東へ約92km、カルタニッセッタから南西へ約47kmと、シチリア島南部の中心的な位置にあります。

県境は、北にパレルモ県、東にカルタニッセッタ県、北西にトラーパニ県と接しています。また、海岸から南西へ約200km離れたペラージェ諸島（ランペドゥーザ島を含む）もこの県の管轄下にあります。

内陸部には、アランチョ山 (403m)やチラーミ山 (516m)などの山々が存在し、アランチョ湖などの自然景観も魅力です。海岸線は美しく、多様な地勢が県全体の景観を豊かに彩っています。

主要都市と人口

アグリジェント県には多くの都市があり、2001年の国勢調査によると、人口2万人以上の都市は以下の通りです。

シャッカ (37,946人)
リカータ (36,647人)
アグリジェント (32,361人)
カニカッティ (30,657人)
ファヴァーラ (30,649人)
パルマ・ディ・モンテキアーロ (21,253人)

これらの都市以外にも、多くの村落や集落が点在し、豊かな歴史と文化を継承しています。

行政区画

アグリジェント県は、43のコムーネ（基礎自治体）から構成されています。その中でも、イタリア最南端のコムーネであるランペドゥーザ・エ・リノーザは、ペラージェ諸島に位置しています。また、県西北部には、パレルモ県の飛地（ビザックイーノの一部）が存在するという特異な地理的特徴も持ち合わせています。

歴史と文化

アグリジェント県は、古代ギリシャ時代から続く長い歴史を誇ります。アグリジェント市には、壮大なギリシャ遺跡が残されており、古代都市アクラガス（現在のアグリジェント）の繁栄を物語っています。エンペドクレスなど、古代ギリシャの著名な哲学者もこの地で生まれ育ちました。

近世以降も、この地からは、イタリア統一に貢献した政治家フランチェスコ・クリスピや、ノーベル文学賞を受賞した作家ルイジ・ピランデルロといった、イタリアの歴史に名を残す著名な人物を輩出しています。さらに、アメリカで活躍した航空エンジニアや現代の作家なども生まれ、文化的に豊かな地域であることがわかります。

交通

県内には、ランペドゥーザ空港があり、ペラージェ諸島へのアクセスを担っています。

まとめ

アグリジェント県は、豊かな自然と歴史的遺産、そして活気ある文化が調和した魅力的な地域です。古代ギリシャの遺跡から現代の文化まで、多様な魅力が訪れる人を惹きつけます。シチリア島を訪れる際には、ぜひアグリジェント県にも足を運んでみてください。

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