ビザックイーノ

ビザックイーノ (Bisacquino)

シチリア島パレルモ県の南西部に位置する内陸のコムーネ（基礎自治体）です。およそ4,400人が暮らしており、その名はアラビア語の「水が豊か」を意味する言葉に由来するとされています。イタリア語での表記は Bisacquino、シチリア語では Busacchinu と呼ばれます。

地理

ビザックイーノはパレルモ県の内陸部に広がり、本体となる中心地区と、住民がいない二つの飛び地から構成されています。中心地区は、コルレオーネから南西へ約14km、リベーラから北へ約22km、アグリジェント県のシャッカから北東へ約26km、県都・州都であるパレルモからは南南西へ約46km、アグリジェントから北西へ約53km、そしてトラーパニから南南東へ約72kmの距離にあります。

二つの飛び地のうち、「ブルツァ」と呼ばれる飛び地は、中心地区から北西に約15kmほど離れており、ベーリチェ川上流に位置する人造湖、ガルチャ湖の南岸に面しています。この地はロッカメーナから南東約5kmほどの場所にあり、中心地区との間にはコンテッサ・エンテッリーナの村があります。

もう一つの飛び地「サン・ビアージョ」は、中心地区の南西約11kmに位置し、興味深いことにアグリジェント県内に存在しながらパレルモ県の管轄となっています。アグリジェント県のサンブーカ・ディ・シチーリアの村から東南東へ約5kmほど離れた場所です。

周辺のコムーネとの境界は複雑に入り組んでおり、本体地区はカンポフィオリート（北）、コルレオーネ（北東）、キウーザ・スクラーファニ（南）、ジュリアーナ（南西）、コンテッサ・エンテッリーナ（西）と隣接しています。ブルツァの飛び地はロッカメーナ（北東）、コンテッサ・エンテッリーナ（南）、モンレアーレ（北西）に、サン・ビアージョの飛び地はアグリジェント県のサンブーカ・ディ・シチーリア（南東）とカルタベッロッタ（北西）に隣接しています。

歴史

ビザックイーノの歴史は古く、12世紀からは地域の有力者たちによって支配されていました。1778年にはモンレアーレ大司教の所領となり、その後、王の直轄領に編入されました。

宗教的な建築物としては、1678年にトリトーネ山の近くに設立されたマドンナ・デル・バルツォ礼拝堂があります。村の主要な教会堂は洗礼者ヨハネに捧げられており、1713年にその建設が完了しました。

産業と経済

このコムーネの経済は主に農業に依存しています。穀物、オリーブ、多様な野菜、アーモンド、ヘーゼルナッツ、そしてワイン用のブドウなどが栽培され、主に都市部へ出荷されています。また、牧羊業も盛んに行われています。

交通

ビザックイーノを通る主要な道路としては、シチリア島西部を東西に結ぶ国道SS188（Centro Occidentale Sicula）があります。このSS188は、サンブーカやジュリアーナなどを経由し、ビザックイーノの南部を通過します。SS188からは、ビザックイーノの中心部を通ってコルレオーネに至る支線のSS188Cが分岐しています。

その他にも、西のコンテッサ・エンテッリーナや南西のジュリアーナなどとは県道によって結ばれています。

人物

ビザックイーノは、いくつかの著名な人物を輩出しています。

ヴィト・カッショ・フェロ: 19世紀末から20世紀初頭にかけて活動した、マフィアの歴史において重要な「ボス中のボス」とされる人物です。
フランク・キャプラ: アメリカで活躍した世界的に有名な映画監督です。この村で生まれ、幼い頃に家族とともにアメリカ合衆国へ移住しました。

これらの情報から、ビザックイーノが地理的にユニークな特徴を持ち、歴史と文化、そして農業を中心とした産業を持つ、シチリア島の内陸に根ざしたコミュニティであることがわかります。

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