アグリニオ

アグリニオ：西ギリシャの中心都市

アグリニオ（ギリシア語: Αγρίνιο / Agrinio）は、西ギリシャ地方エトリア＝アカルナニア県に位置する都市であり、同地域の中心的な役割を担っています。県全体の約4分の1にあたる約10万人が暮らしており、都市部だけでも約5万人が生活しています。

名称の変遷

その名は、ラテン語ではアグリニウムとして知られていました。中世から1925年まではヴラチョリ（Βραχώρι）と呼ばれていましたが、その後、アグリニオンへと名称が変更されました。

古代からの歴史

アグリニオの歴史は古代にまで遡ります。古代の市街は現在の市街地から3kmほど北東に位置しており、これまでに城壁や遺物が発見されています。神話によれば、アグリニオはアイトーロスの孫であるアグリオスによって築かれたとされていますが、紀元前314年にはカッサンドロスによって支配されることとなりました。

オスマン帝国時代には、トルコ系住民が多数を占めていましたが、1585年にテオドロス・ミガスの乱が起こると街は荒廃しました。18世紀初頭には、再びエトリア＝アカルナニアの中心地として復興。ギリシャ革命にも参加し、1821年6月11日に一時的にオスマン帝国の支配から脱却しました。1832年7月9日、コンスタンティノープル条約によってギリシャ領となり、地名もアグリニオンに戻されました。

希土戦争中には、トルコ西部からの避難民が多数移住。エピルスやエヴリタニアからの移住者もいました。1930年には道路が舗装され、給水塔が建設。古代の面影を残しつつも、電気が通るなど近代化が進みました。クレマスタとカストラキに建設された水力発電ダムは、地域経済の発展に大きく貢献しました。

中心街の南東に位置するトリコニス湖周辺では、度々大地震が発生しており、アグリニオもその度に被害を受けています。2007年6月7日には豪雨に見舞われ、多くの家屋が浸水する被害が発生しました。

経済と産業

19世紀末から20世紀初頭にかけては、パパストラトスなどのタバコ企業のもとでタバコ栽培が盛んに行われていました。現在では、アグリニオ・オリーブの生産地として知られています。

交通の要衝

アグリニオは、国道5号や欧州ルート55号が通り、交通の要衝となっています。東のカルペニシやラミアとは国道38号や欧州ルート862号で繋がっています。また、リオン＝アンティリオン橋梁の北西、メソロンギの北、アスタコスの北東に位置するなど、周辺地域へのアクセスも便利です。

紋章に込められた意味

アグリニオの紋章には、ヘラクレスが河の神アケローオスと戦うギリシャ神話の場面が描かれています。

地区

アグリニオは、以下の地区に分かれています。

アギオス・イオアニス・リガナス
アクロポタモス
ブシ
ギアヌシ
ディアマンティカ
エレフテリア
レフカ
リアグキカ
ピルギ
スキノス
ストロンギリカ

観光スポット

アグリニオ考古学博物館
20世紀初頭の巨大なタバコ貯蔵庫
パパストラティオ公園
ディモクラティアス広場
トリコニス湖とリシマキア湖
アグリニオ空港

スポーツ

パネトリコスFCが本拠地としています。

ゆかりの人物

ストラトス・アポストラキス - サッカー選手
ゲラシモス・アフゲロプロス - 民族人民解放軍（ELAS）指導者
パナギオティス・ダングリス - 軍人・政治家
フィリポス・ダルラス - サッカー選手
ペトロス・フィスン - 俳優
クリストス・カプラロス - アーティスト
ミカリス・クシス - マラソン選手
アリスティディス・モスコス - ミュージシャン
ピタゴラス・パパスタマティウ - 作家
テオドロス・パパディミトリウ - 彫刻家
クリストス・ガルファリス - 作家
エヴァンゲロス・パパストラトス - ビジネスマン
ルキア・ピスティオラ - 俳優
* ヤニス・イファンティス - 詩人

アグリニオは、歴史と自然が調和した魅力的な都市であり、訪れる人々を魅了し続けています。

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