アグレッシブ級掃海艇

アグレッシブ級掃海艇の概要

アグレッシブ級掃海艇（Aggressive-class minesweeper）は、アメリカ海軍で使用されていた掃海艇の一つです。艦名は「アジャイル」を起点としており、アジャイル級（Agile-class）とも呼ばれることがあります。この艦種は元々掃海艇（AM）として分類されていましたが、1955年には外洋掃海艇（MSO）へと改名されました。基本計画番号はSCB-45Aです。

歴史的背景

この艦級が開発されたのは、第二次世界大戦における機雷の脅威が大きく関わっています。戦争中は、触発式の係維機雷が主流で、その掃海には比較的高速な鋼製艇が必要とされていました。しかし、大戦後期に登場した磁気・音響感応機雷によってその考え方は変わり、特に朝鮮戦争の経験から、非磁性の材質が求められるようになりました。その結果、木製の掃海艇が開発され、本級の大量生産が始まりました。

設計と構造

アグレッシブ級の船型は長船首楼型で、1970年代中盤以降の改修により上部構造物の拡大や艦橋の半閉鎖化が行われました。この設計により、船体の非磁性化が実現されています。主機には、初の非磁性クランク軸を採用したパッカード社製のディーゼルエンジンを搭載することが予定されていましたが、生産の遅延により、一部にはゼネラルモーターズ社製エンジンが使用されました。

装備能力

本級は、様々な掃海具を装備し、後にはAN/UQS-1機雷探知機も搭載されました。この機雷探知機は高周波ソナーでありましたが、動揺安定化装置がなく、明瞭な映像を得ることが難しいという課題がありました。1970年代中盤には、先進的なAN/SQQ-14に換装され、機雷の識別能力が大幅に向上しました。

運用実績

アグレッシブ級掃海艇は総計53隻が建造され、その多くが1970年代半ばまでに退役しました。約10隻は中華民国海軍に売却され、再び掃海艇として運用されています。これにより、アメリカ海軍の全艦艇が1994年9月30日、最後の一隻を退役させました。

同型艦

同級の艦には、アグレッシブ（掃海艇）、アベンジ、ボールド、ブルワークなどがあり、多様な任務を遂行しました。各艦は特定の任務や任期に応じて、それぞれ異なる改修や装備変更が行われてきました。

アグレッシブ級掃海艇は、非磁性素材の採用と先進的な技術の融合により、時代の要求に適応した掃海艇として、冷戦期を通じて重要な役割を果たしました。

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