アコチアミド

アコチアミドは、機能性ディスペプシアの治療に用いられるコリンエステラーゼ阻害薬の一種です。ゼリア新薬工業が創製し、アステラス製薬と共同で開発されました。日本では「アコファイド」の商品名で、100mg錠剤として販売されています。

効能・効果

アコチアミドは、機能性ディスペプシアにおける以下の症状の改善に効果が期待できます。

食後膨満感
上腹部膨満感
* 早期満腹感

ただし、心窩部の疼痛や灼熱感に対する有効性は確認されていません。

副作用

臨床試験では、アコチアミドの投与によって様々な副作用が報告されています。主な副作用としては、下痢、便秘、悪心、嘔吐などの消化器症状や、血中プロラクチン、ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTP、トリグリセリド、ビリルビン、ALP、白血球数の増加などが挙げられます。重大な副作用は現在のところ確認されていません。

作用機序

アコチアミドは、既存の薬剤とは異なる作用機序を持っています。アセチルコリンエステラーゼという酵素の働きを阻害することで、アセチルコリンの量を増加させ、胃の運動機能を改善します。その結果、早期満腹感や食後膨満感の改善が期待できます。ただし、機能性ディスペプシアの主な症状の一つである心窩部の疼痛や灼熱感に対する効果は確認されていません。

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬としては、アコチアミドの他に、アルツハイマー病治療薬であるアリセプトやレミニールなどが知られています。

薬物動態

アコチアミドは、食前に服用することが推奨されています。空腹時または食後に服用した場合、最高血中濃度が4割程度低下する可能性があります。

アコチアミドは、機能性ディスペプシアの症状である食後の膨満感や早期満腹感の改善に役立つ薬剤ですが、副作用や薬物動態についても理解した上で、医師の指示に従って適切に使用することが重要です。

もう一度検索