ゼリア新薬工業

ゼリア新薬工業株式会社：日本の製薬業界をリードする企業

ゼリア新薬工業株式会社は、医療用医薬品と一般用医薬品の研究開発、製造、販売を手がける日本の老舗製薬企業です。東京都中央区に本社を置き、国内外で幅広い事業展開を行っています。

強みと歴史

同社の強みは、医療用医薬品分野における消化器系治療薬の豊富な実績と、一般用医薬品分野ではコンドロイチン製剤のトップブランドである「コンドロイチンZS錠」を始めとする確固たる地位にあります。社名の由来である「ゼリア」も、このコンドロイチン製剤に因んでいます。

1955年、元山之内製薬常務の伊部禧作氏によって株式会社ゼリア薬粧研究所として設立されました。以来、数々の画期的な製品を世に送り出してきました。代表的な製品として、1964年の「コンドロイチンZS錠」発売、1967年の滋養強壮ドリンク剤「ハイゼリーB」発売、1969年の胃潰瘍治療剤「マーズレン-S顆粒」発売などがあります。

1970年にはゼリア新薬工業株式会社に商号変更。その後も研究開発を続け、埼玉工場、筑波工場などの生産拠点の拡充、中央研究所の新設など、企業基盤を強化しました。1998年には東京証券取引所市場第二部に上場し、2000年には市場第一部に指定替えを果たしました。

グローバル展開

ゼリア新薬工業は、国内市場にとどまらず、グローバルな事業展開にも積極的に取り組んでいます。2009年にはスイスのティロッツ社を買収し、ゼリアグループとしてスウェーデン、アイルランド、英国、チェコ、スペイン、ドイツ、フランス、イタリア、ベトナム、デンマークなど、世界各国で医薬品の製造販売を行っています。研究開発はスイスで行われ、グローバルなネットワークを活かした事業展開が特徴です。

多様な製品群

同社は、一般用医薬品、医薬部外品、化粧品、健康食品など、幅広い製品群を取り扱っています。

一般用医薬品では、「コンドロイチンZS錠」の他、「ヘパリーゼ」シリーズ（滋養強壮剤、液体胃腸薬など）、「ハイゼリー」シリーズ（滋養強壮剤）、「新ウィズワン」（便秘薬）、「アシノンZ」（H2ブロッカー胃腸薬）、「エーゼット」シリーズ（目薬）、「セピー」シリーズ（風邪薬など）など、多くの製品が国民に親しまれています。

医薬部外品や化粧品も展開し、「アポスティー」シリーズのスキンケア製品は、高い品質と効果で好評を得ています。

社会貢献

ゼリア新薬工業は、「健康づくりはしあわせづくり」を企業スローガンに掲げ、人々の健康増進に貢献しています。近年では、著名なタレントを起用した広告展開にも力を入れており、企業イメージの向上にも努めています。また、丸山ワクチンの治験薬提供など、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

企業の課題

2017年には、新入社員研修におけるパワーハラスメントが問題となり、研修参加者による自殺という痛ましい事件が発生しました。この事件を受けて、同社は研修体制の見直しなどを進めていますが、企業倫理の更なる向上、安全で働きやすい職場環境の整備が今後の課題となっています。

まとめ

ゼリア新薬工業株式会社は、長年にわたる研究開発と、グローバルな事業展開により、日本の製薬業界をリードする企業として成長を続けています。一方で、企業倫理の向上や、従業員の健康と安全を確保するための取り組みが、今後の発展において重要な課題となっています。 継続的な成長と社会貢献を通して、ゼリア新薬工業がどのような未来を描いていくのか、今後の動向に注目が集まります。

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