白血球

白血球について

白血球（はっけっきゅう、英: white blood cellまたはleukocyte）は、体内の防御機能を持つ重要な免疫細胞で、単球、リンパ球、好中球、好塩基球、および好酸球の5つの主要なタイプに分類されます。これらは外部から侵入する細菌やウイルスを排除し、腫瘍細胞や不要な死細胞を処理する役割を果たします。白血球は造血幹細胞に由来し、通常の血液検査では「WBC」として示されます。普通の状態での血液中の白血球数は、1μLあたり約3,500〜9,500個です。

白血球の種類

末梢血中には以下の5種類の白血球が存在します。
1. 好中球（Neutrophil）：白血球の50〜70%を占め、細菌感染に最初に応答します。
2. 好酸球（Eosinophil）：全体の約2〜5%を占め、寄生虫感染やアレルギー反応に関与します。
3. 好塩基球（Basophil）：白血球の1%未満で、アレルギー反応に関連するヒスタミンやヘパリンを放出します。
4. リンパ球（Lymphocyte）：全体の20〜40%を占め、特にウイルス感染や腫瘍細胞の攻撃に重要です。NK細胞、B細胞、T細胞が含まれます。
5. 単球（Monocyte）：全体の3〜6%を占め、大きな細胞である単球からマクロファージへと分化し、異物を消化します。

各白血球の機能

• - 好中球は感染部位に集まり、細菌を貪食（飲み込んで殺菌）します。これが膿の正体となることもあります。細胞は通常1日以内に死に、残骸はマクロファージによって処理されます。
• - 好酸球は寄生虫やアレルギー反応に関連しており、特にI型アレルギーに増加します。
• - 好塩基球は少数ですが、免疫機能には重要であり、特にアレルギー反応に貢献します。
• - リンパ球は病原体に特異的に反応し記憶能力を持つため、再感染時に迅速に対応します。特にB細胞は抗体を産生し、T細胞は細胞性免疫を担当します。
• - 単球は組織内でマクロファージや樹状細胞に分化し、異物の取り込みだけでなく、免疫応答の開始にも関与します。

白血球の基準値について

白血球数は個体差が大きく、基準値は3,500〜9,500/μLと言われていますが、状態によってはこの範囲を超えることがあります。白血球数が増加することを「白血球増多症（leukocytosis）」、減少することを「白血球減少症（leukopenia）」と呼びます。具体的には、感染症やストレス、または白血病などの疾患によって変動します。

白血球の生産と寿命

白血球の主な生産場所は骨髄で、好中球の場合は1日に約1,000億個が生成されます。感染時などには運搬プールから素早く動員され、必要に応じて数が増加します。白血球の寿命は細胞の種類によって異なり、数日のものから数ヶ月、場合によっては数年にわたるものもあります。

結論

白血球は私たちの免疫システムにおいて重要な役割を果たしています。それぞれの白血球が特有の機能を持ちながら、協力し合い、病原体などから身体を守ります。このような生理的なプロセスは私たちの健康維持にとって極めて重要です。

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